
F1アゼルバイジャン決勝:最速タイヤ戦略とグリッド、6名が昇格
日本時間4月30日(日)20時にスタートを迎える2023年シーズンの第4戦、F1アゼルバイジャンGPのスターティング・グリッドと予選結果からの変動および、予想されるタイヤ戦略を見ていこう。
スターティンググリッド
ニック・デ・フリース(アルファタウリ)は計測ラップを終える前にクラッシュを喫してQ1を敗退したため107%ルールに抵触したが、スチュワードから出走許可を得て最後尾19番グリッドに着く。
予選12番手のエステバン・オコン(アルピーヌ)はパルクフェルメ規定違反により、スプリントと同様、ピットレーンからスタートする。
これにより当初は7名のグリッドが一つずつ昇格する見通しであったが、予選17番手のニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が決勝を前にサスペンションのセットアップを変更。パルクフェルメ違反によってピットレーンからのスタートが命じられた。
この結果、予選13番手のアレックス・アルボン(ウィリアムズ)以下6名のドライバーが各々1つ、ないしは2つ上のグリッドに繰り上がった。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
バクー市街地コースのピットレーンに並ぶF1マシン、2023年4月29日F1アゼルバイジャンGPスプリントにて
ポールポジションはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。最前列2番グリッドにはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が並び、その後ろにはスプリントウィナーのセルジオ・ペレス(レッドブル)が続く。
僚友デ・フリースとの接触によりスプリントをリタイヤで終えた角田裕毅(アルファタウリ)はポイント圏内8番手からの今季2回目の入賞を狙う。
| Pos | Driver | Team | Qualifying |
|---|---|---|---|
| 1 | C.ルクレール | フェラーリ | 1(-) |
| 2 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 2(-) |
| 3 | S.ペレス | レッドブル | 3(-) |
| 4 | C.サインツ | フェラーリ | 4(-) |
| 5 | L.ハミルトン | メルセデス | 5(-) |
| 6 | F.アロンソ | アストンマーチン | 6(-) |
| 7 | L.ノリス | マクラーレン | 7(-) |
| 8 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 8(-) |
| 9 | L.ストロール | アストンマーチン | 9(-) |
| 10 | O.ピアストリ | マクラーレン | 10(-) |
| 11 | G.ラッセル | メルセデス | 11(-) |
| 12 | A.アルボン | ウィリアムズ | 13(+1) |
| 13 | V.ボッタス | アルファロメオ | 14(+1) |
| 14 | L.サージャント | ウィリアムズ | 15(+1) |
| 15 | 周冠宇 | アルファロメオ | 16(+1) |
| 16 | K.マグヌッセン | ハース | 18(+2) |
| 17 | P.ガスリー | アルピーヌ | 19(+2) |
| 18 | N.デ・フリース | アルファタウリ | NC |
| PL | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 17 |
| PL | E.オコン | アルピーヌ | 12 |
想定されるタイヤ戦略
周回数が17周から51周に増えるとは言え、スプリントの展開からミディアムとハードを使った1ストッパーが主流と予想することは妥当だろう。スプリントでは全19台の中の17台がミディアムをスタートタイヤに選んだ。
実際、ピレリのシミュレーションによると、理論的に最も速いのは同コンパウンドを使った1ストッパーであり、ミディアムを経て13~20周目の間にハードタイヤに履き替えるのが最速だという。
代替プランはソフトでスタートして8~13周目にハードを履く1ストッパー、あるいはその逆にハードを履いてグリッドに着き、38~45周目にソフトに履き替えるパターンだという。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
2023年F1アゼルバイジャンGPタイヤ戦略
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「データを見る限り、おそらくミディアムとハードを使用した1ストッパーが最も有力な戦略だと思われる」と説明する。
「計18名のドライバーが2セットのハードタイヤを手元に残している。これによりセーフティーカー等のあらゆる状況に柔軟に対応する事が可能となる」
「今日のF2スプリントとF1スプリントの両方で見られたように、このストリート・サーキットでは当然に起こり得る事だ」
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
2023年F1アゼルバイジャンGPドライバー別温存タイヤセット