大雨のスパ・フランコルシャンを走行するアルピーヌA521の後ろ姿、2021年8月29日F1ベルギーGP決勝レースにて
Courtesy Of Alpine Racing

”不戦決着”のF1ベルギーGP、ドライバー批判続々「何の冗談だ」「今日の僕はポイントに値しない」「2周で得点?意味不明」

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F1史上最短の1周レースとなった第12戦ベルギーGPでグリーンフラッグが振られる事は一度もなく、セーフティーカー先導下で3周のスローラップのみが行われた。

ただ、先頭車両がコントロールラインを3回通過したため、ハーフポイントレースの要件である2周以上という周回数をクリアし、上位10台には通常の半分ながらもポイントが与えられた。

この日の最大の障害についてカルロス・サインツ(フェラーリ)は「問題は視界不良だった」と指摘した。

「セーフティーカーの背後での2周の走行の際、タイヤはゼロまで冷え切っていた。そんな状況で、かつ視界が全く効かない状態でオー・ルージュやストレートを走行する事になればどうなるか」

「タイヤが冷えた状態で目の前で誰かがスピンしたとしたら? 例えば10番手のマシンがクラッシュしたら、20番手のクルマまでの全車が彼に衝突しかねない。時速300kmの大事故が起こる可能性があるって事だ」

雨の中、レースに向けて準備を進めるフェラーリのカルロス・サインツ、2021年8月29日F1ベルギーGP決勝レースにてCourtesy Of Ferrari S.p.A.

雨の中、レースに向けて準備を進めるフェラーリのカルロス・サインツ、2021年8月29日F1ベルギーGP決勝レースにて

多くのドライバーや関係者達はサインツ同様に口を揃えて「中止はやむを得ない選択だった」と理解を示している。

ただその一方、規約で定められたレース成立要件の内容、あるいは3時間強という長時間の中断の末に2周のみのセーフティーカー・ランで終了を迎える事に繋がったFIAの決定を批判している。

それはサインツも変わらず「レースの最終リザルトを仕立てるためだけに周回を重ねるのはなしだと思う」と意見した。

セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は5位入賞によってコンストラクターズ選手権で後方に沈むアストンマーチンに貴重なポイントを持ち帰ったが、グリーンフラッグ無きレースでハーフポイントが与えられるのは「ちょっとしたジョークだよね? 冗談でしょ」と疑問を呈した。

「今日の僕らはポイントに値する何をしたって言うんだい?僕には分からないね」

「ポイントを得るためには最低でも規定周回数の25%をこなさなきゃならないんじゃないかな?」

グリッドでレース開始を待つアストンマーチンのセバスチャン・ベッテル、2021年8月29日F1ベルギーGP決勝レースにてCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

グリッドでレース開始を待つアストンマーチンのセバスチャン・ベッテル、2021年8月29日F1ベルギーGP決勝レースにて

ベッテルの背後、6位でフィニッシュしたピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)は「今日の自分の仕事がポイントに値するとは思っていない」と語った。

「ただセーフティーカーの後ろを走っただけだった。グリッドに着くまでのラップでクラッシュする事はなかったけど、今日の僕がやった事と言えばそれだけだ」

また11位フィニッシュしたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は、天候は誰のせいでもないとした上で「唯一納得できないのは、何故2周を消化したのみでポイントが与えられるのかという事だ。なぜなら僕らはレースをしていないんだから」と不満をぶつけた。

「今日のレースは赤旗か、さもなくばセーフティーカーの背後で走っているかのいずれかだった。つまり僕らはレースをしていない。それなのにどうしてポイントが与えられるんだ」

赤旗中断をガレージ内で過ごすアルピーヌのフェルナンド・アロンソとエステバン・オコン、2021年8月29日F1ベルギーGP決勝レースにてCourtesy Of Alpine Racing

赤旗中断をガレージ内で過ごすアルピーヌのフェルナンド・アロンソとエステバン・オコン、2021年8月29日F1ベルギーGP決勝レースにて

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