何故ホンダでなかったのか? 2026年F1再提携が合意に至らなかった理由を説明するレッドブル

2023年仕様のレッドブル・レーシングのレーシングスーツに掲げられたホンダのロゴCourtesy Of Red Bull Content Pool

”レッドブル・ホンダ”の2026年F1復活は幻に終わった。その理由についてチーム代表のクリスチャン・ホーナーは遠隔地での協業がネックになったと説明する。だがそれだけが理由でない事はほとんど疑う余地がない。

次世代F1パワーユニットが導入される2026年以降のパワーユニット・パートナーとしてレッドブルが選んだのはホンダではなくフォードだった。2月3日のシーズンローンチの話題はフォード一色に染まった。

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2023年2月3日に米国ニューヨークのクラシックカークラブ・マンハッタンで行われたレッドブル・シーズンローンチ2023でお披露目されたRB19

フォードがレッドブルにとって如何に魅力ある選択肢であるかについては既報の通りだが、それだけでは既に良好な関係を築き成功を共にしているホンダを選ばなかった理由としては不十分だろう。

ホーナーは独「Auto Motor und Sport」とのオンラインインタビューの中で「何故ホンダにしなかったのか?」との質問に対して次のように答えている。

「我々はホンダと素晴らしい関係を築いてきたし、それは2025年の終わりまで続くことになる」

「ただホンダはこのスポーツからの撤退を発表している。彼らが我々を助けてくれる可能性があるのかどうか、2026年に向けて幾つかの選択肢を検討した」

「だが思うに、エンジンの半分を日本で、もう半分をイギリスで設計するというのは、兎に角、非常に困難な事だった。実際にやるとなると、とても難しい」

「何度か話し合いの場を持ったのだが、合意に至る事はできなかった。これが残念である事は疑う余地がない」

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ニューヨークのクラシックカークラブ・マンハッタンで行われたレッドブルの2023シーズンローンチで話すチーム代表のクリスチャン・ホーナー、2023年2月3日

ホンダの撤退を受けレッドブルは多額の費用を投じてレッドブル・パワートレインズを立ち上げた。ICE(内燃エンジン)の開発は順調に推移しており、ホンダに対してはハイブリッド領域での協力を希望していたものとみられている。

なおホンダのF1パワーユニット開発は何もその全てが栃木県のHRD-Sakuraで行われていたわけではない。

ES(バッテリー)には可燃性が高いリチウムイオン電池が使われており、国際輸送に関して国連勧告輸送試験UN38.3に合格する事が求められるなど制約が厳しいため、これに関してはミルトンキーンズのHRD-UKで開発が行われていた。

再提携に至らなかった理由についてホーナーは、遠隔地での共同開発の困難さを挙げているが、ホーナー自身の「2026年に向けてホンダの計画が結実することを祈っている」という発言はそれだけが理由でない事を示唆している。

分業ではない従来通りの単独サプライヤーなのか、はたまたチームを買収するなどしての新たなアプローチなのか…何れにせよホンダは2026年以降のF1に何らかの形で関与する事を望んでおり、それはレッドブルとの協業では実現できないものだったと考えるのが適当だろう。

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マックス・フェルスタッペンが2021年のF1ワールドチャンピオンを獲得したレッドブル・ホンダRB16B、長崎県大村市

2026~2030年のF1パワーユニット・サプライヤーにはホンダを含めた6社が登録している。

ヘルムート・マルコが明確に否定している事から現時点ではアルファタウリが売りに出される可能性は低く、レッドブルとアルファタウリの2チームは”レッドブル・フォード”製ユニットを搭載する事になるだろう。

梯子を外されたホンダの行く先

フェラーリはスクーデリア自身とハースに、アウディはザウバーに、アルピーヌはエンジン名称をルノーからアルピーヌへと変更してエンストンのチームに、そしてメルセデスHPPはメルセデス及び、資本関係にあるアストンマーチンに供給する事が予想される。

このシナリオに基づくならば、理論的には2つの新規参戦チームとマクラーレン、ウィリアムズという4チームへの供給を巡ってホンダとアウディ、アルピーヌが競争を繰り広げる事になるだろう。トップ争いのためには同じPUを搭載するカスタマーチームの存在は欠かせない。

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