メディアの質問に応えるホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター、F1オーストラリアGP決勝レース当日
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ホンダF1「車体だけでなくエンジンの性能向上も必要不可欠」F1中国GP《preview》

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エイドリアン・ニューウェイが「改善すべきは車体」との認識を示す一方で、ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、優勝をかけてフェラーリやメルセデスと争うためには、エンジン側のパフォーマンス向上も欠かせないと主張する。

「過去2戦では2チーム4台が完走を果たし、初戦では表彰台、2戦目では3台が入賞し、まずまずのシーズンスタートを切ることができました」と田辺TD。開幕オーストラリアGPでは、マックス・フェルスタッペンが真っ向勝負でフェラーリを抜き去り、手負いの状態とは言えどもメルセデスを苦しめポディウムに上がった。

だが第2戦では一変。フェルスタッペンも然ることながら、特にピエール・ガスリーはリアエンドに苦戦し、トップチームに挑むどころか、ハースやマクラーレンの接近を許した。RB15の設計を主導するエイドリアン・ニューウェイは、ホンダ側はかなり早期にトップにキャッチアップするとの見通しを示した一方で、シャシー側の改善の必要性を強調した。

田辺TDは序盤2戦の成績について「堅実」としながらも、決して満足の出来るものではなく「トップチームと戦うには我々のパワーユニットとチームの車体側を合わせたパッケージ全体のパフォーマンス向上が必要だと感じています」と語る。

今週末に控える中国GPは、1.2kmものロングストレートを備え燃料消費量も高く、パワーユニット側のパフォーマンスが試される。だがそれと同時に、第1セクターにはテクニカルな低速コーナー、そして第2セクターには4.5Gにも達する高速のターン8が待ち構えており、シャシー側の性能が要求される。

「今回の舞台となる上海インターナショナル・サーキットは、2本の長いストレートと極低速のヘアピンコーナー、また、さまざまな回転半径で構成される複合コーナーを備えています」と田辺TD。「パワーユニット、車体双方にとって、非常にチャレンジングなコースレイアウトが特徴です」

「今回は長いF1の歴史の中で、1000レース目となる記念大会になります。Hondaとしては1964年のドイツGPでF1に参戦して以来、実に425戦目のレースとなりますが、この記念すべきレースでいい結果を残せるよう、万全の準備を整えて臨みたいと思います」

今年のF1中国GPは、F1世界選手権1000戦目の節目のグランプリとなる。一回目のフリー走行は、日本時間4月12日(金)11時から開催される。

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