2019年シーズンのFIA F1世界選手権第13戦ベルギーGP予選におけるドライバー別スピードトラップを集計した。スターティング・グリッド争いでは、フェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得。2番手にはセバスチャン・ベッテルが続き、圧倒的なトップスピードを誇る跳馬の2台がフロントローを独占した。

平均速度220kmを超えるパワーサーキットのスパ・フランコルシャン。メルセデスの場合、1周のエンジン全開率は81%に達する。スパのスピードトラップは、オー・ルージュを抜けた先、ターン4の30m先の地点で計測される。

スピードトラップ

トップスピードは、エンジン馬力やスリップストリームの有無の他、計測地点前のコーナーの種類やトラクション性能、ダウンフォースレベルや車体の空気抵抗といった様々な要素で上下する。

予選のスピードトラップで最高速を刻んだのは2番グリッドのフェラーリ、セバスチャン・ベッテル。時速317.7kmを記録した。2位は今シーズンのスピードトラップの常連、ルノーのダニエル・リカルド。3位は、ポールのシャルル・ルクレールだった。

トップ10の顔ぶれを見ると、フェラーリ製エンジンの強さが際立っている事が伺える。

悔やまれるのは、最新スペックのパワーユニットを投じたホンダとメルセデスの両方が、各々訳あってエンジンモードを絞り出力をセーブしていた点だ。

ホンダのスペック4を積むアレックス・アルボンとダニール・クビアトは、共にグリッド降格が決定していたため、予選でのラップは流している。また、メルセデスに関しては、週末に2度も新型エンジンにトラブルが出ているため、パーティーモードを使わずに予選を戦っていた。

本気を出した彼らがどの程度のスピードを叩き出すのか。競争力は如何ほどなのか。その答えは、次戦イタリアGPを待つ必要がある。

ケメルストレート終端速度

以上スピードトラップのデータを見てきたが、スパでの最高速が記録されるのはスピードトラップではなく、オー・ルージュの抜けた先に広がるケメルストレートの終端。ターン5手前で最も高い速度が記録される。また、この箇所は絶好のオーバーテイクポイントでもある。

スリップの影響を受けやすいこの地点での最高速を記録したのは、スピードトラップと同じくスクーデリア・フェラーリだ。メルセデスとの速度差は9.4km/h、レッドブル・ホンダとの速度差は11.6km/hに達した。

グリッド方向からの巻き返しを目指すアルボンが「レーシングポイントはトップスピードが高いから、ポジション挽回はかなり大変だと思う」と語っていたが、まさにその言葉通り、フェラーリに続いたのはランス・ストロールとセルジオ・ペレスであった。

上位勢としても、ピットストップの際にレーシングポイント勢より後退するタイミングでのピットインは避けたいところだろう。直線番長と称されたフォース・インディアのDNAは、レーシングポイントへと引き継がれている。

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