角田裕毅「かなり奇妙」なスピンで最下位も”安堵”、シュートアウトでのミスに自責の念
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F1第13戦ベルギーGPスプリントを完走18台中、最下位で終えた角田裕毅(アルファタウリ)は、転落の原因となったスピンについて「かなり奇妙でした」としつつも、クルマを壊さなかった事に安堵した様子を見せるとともに、シュートアウトでの自身のミスを悔やんだ。
スプリントのグリッドを争う3ラウンド制のシュートアウトでは、ダニエル・リカルドが11番手を確保した一方、15番手でSQ2に進んだジョージ・ラッセル(メルセデス)に0.093秒届ず、16番手でSQ1敗退を喫した。
これについて角田裕毅は「今朝のシュートアウトでは幾つかミスをして1周をまとめ上げる事ができず、スプリントに向けて手痛い16番手と、本当に悔しい思いをしましたが、あれは僕のせいでした」と述べ、自身の責任だと認めた。
テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「ユーキはベストラップを上手くまとめる事ができずSQ1を脱出できなかった。昨日の予選で素晴らしいパフォーマンスを見せていただけに残念だ」と振り返った。
豪雨による幾度もの遅延を経て、スプリントはセーフティーカー(SC)先導下でフォーメーションラップが行われた。そのため装着タイヤはフルウェットに制限されたが、5周を重ねた事でレース開始を前に路面はクロスオーバーを迎えた。
そこでグリッドのちょうど半分にあたる10台は、スタートを前にピットへと向かいタイヤを交換。他のチーム同様、アルファタウリもダブルスタックによるタイムロスを防ぐべく、2台でストップのタイミングを分けた。
リカルドの翌周にインターに履き替えた角田裕毅は「僕よりポイント獲得の可能が遥かに大きかった前のダニエルを優先した方が良かったわけで、戦略は問題なかったと思います」と振り返った。
国際映像には映っていなかったが、角田裕毅はフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)のインシデントに伴うセーフティーカー(SC)からのリスタートを経て、最終シケインでスピンを喫したようだ。
エギントンは「ユーキは再スタート時にリアをロックさせスピンしてしまい、フィールドから遅れを取る事になった。短いレースであったため挽回する事はできなかった」と説明した。
これにより17番手から最後尾に転落。集団から9秒近く遅れる事となり、最終的にはコンマ4秒差にまで巻き返したものの、17位ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)には届かず、完走18台中、最下位でレースを終えた。
スピンについて角田裕毅は「ダメージがなかったのは幸いでしたが、なんだか奇妙な感じでした。全体的にリアのフィーリングに違和感がありました。グリップが全く感じられなかったんです」と説明した。
「バリアや他車との接触を避けられたのは本当に幸運でした」
「正直に言うと、16番手からのスタートだったので、(入賞を目指すより)明日に向けてクルマを傷つける事なく同じ状態で持ち帰ることに集中していました。明日の方が遥かに重要なので」
11周のスプリントはウェットレースとなった。アルファタウリにとって日曜の本戦はドライコンディションの方が望ましいのだろうか?
「どうなるか分かりませんが、似たような感じでしょうね。でも少しは良いかもしれません」と角田裕毅は語った。
2023年F1ベルギーGPスプリントではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位にピエール・ガスリー(アルピーヌ)が続く結果となった。
決勝は日本時間7月30日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周7004mのスパ・フランコルシャンを44周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。