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トロロッソ・ホンダ、事前予想を覆す10番グリッド!入賞圏内から決勝をスタート / F1ベルギーGP《予選》サマリー

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第13戦F1ベルギーGP2日目。正午から行われたプラクティス3は、雲の切れ間から所々に青空が覗くドライコンディション。セッションは気温12度、路面温度19度でスタートした。2台は最初にミディアムタイヤで1周を走行。その後新品のスーパーソフトに履き替えてアタックシミュレーションを行った。

徐々にタイムを伸ばした2台はガスリーが1分46秒182、ハートレーが1分46秒259のベストラップをマーク。その後同じタイヤでロングランを行い、13周を走行した後ピットへと戻った。セッション終盤、新品のスーパーソフトで再度タイムアタックを敢行する予定であったが、ストフェル・バンドーンのクラッシュによって赤旗中断。タイム計測叶わずセッション終了となり、ガスリーは15番手、ハートレーは16番手でマシンを降りた。

予選開始の午後3時、気温は15度とやや上昇。降水確率90%と降雨が予想される中でセッションがスタートした。Q1で真っ先にコースインしたガスリーは、1セット目のタイヤで1分44秒985、44秒590とタイムアップ。ハートレーも1分45秒046、44秒747と自己ベストを更新した。

2セット目の走行ではハートレーが44秒153、ガスリーが44秒221とラップタイムをさらに短縮。ハートレーが14番手、ガスリーが15番手でQ2進出を果たした。Q2の1回目のランではガスリーが43秒844を、そしてハートレーが43秒865を記録し、ともに43秒台に入れてみせた。

タイヤを履き替え最後のアタックに向けてコースインしたものの、ハートレーが1コーナでスピンを喫したことで後続のガスリーに影響が及び、両者とも自己ベストを塗り替えるには至らなかった。結果ガスリーが11番手、ハートレーが12番手と僅差でQ3進出を逃した。

予選を振り返ったガスリーは、リザルトへの満足感を口にした上で「僕らのマシンはデグラデーションが低い傾向にあるから、日曜の決勝が楽しみ」と述べ、レースでのポイント獲得に期待感を示した。シート喪失の噂が絶えないハートレーは、ガスリーの後塵を拝する形となったもののその差100分の2秒にまで迫まり、残留に向けてチーム上層部に好印象を与える事となった。

メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスがパワーユニット一式を交換しグリッド降格処分を受けるため、日曜のスターティンググリッドは一つずつ繰り上がる事となり、ガスリーは入賞圏内の5列目10番手から、ハートレーは6列目11番手からレースに挑む。

トロロッソ・ホンダ:F1ベルギーGP予選を終えて

ピエール・ガスリー予選: 11位, FP3: 15位

予選11番手は本当に素晴らしいリザルトだよ。スパは僕らトロロッソ・ホンダのマシンが得意とするサーキットではないからね。でも、最終的に事前想定よりも良い結果を出すことができた。10番手まであと一歩まで行けたし、本当に満足だよ。

今日はマシンの性能を最大限にまで引き出せたのは間違いないよ。とは言え、Q3進出まではあとコンマ5秒の差があったから、流石にそこまでは届かなかった。STR13は毎回タイヤの磨耗が少ない傾向にあるから、その点は決勝に向けて前向きな材料だしレースが楽しみだよ。

僕らの前にいるマシンはかなり速いから、オーバーテイクするのは簡単じゃないだろうね。でも良いスタートを切って全力でプッシュするつもりだよ!

ブレンドン・ハートレー予選: 12位, FP3: 16位

FP2とFP3を終えて、今日の予選は僕らにとって厳しいセッションになるなって確信したよ。でも結果的に、チームとしてマシンの性能を限界まで引き出せたと思うし、その点についてはかなり良かったんじゃないかな。Q3に進出するのは少し難しかったと思うけど、最終的にはトロロッソ・ホンダにとって上出来の一日になったと思う。

統計的に言って、僕らのマシンはドライとウェットが混在するようなコンディションで速い傾向があるから、もう少し早く雨が降ってくれると良かったんだけどね。でも、今日の結果は望みうる最高のリザルトだったと思うよ。

11番手と12番手は素晴らしいリザルトさ。ボッタスのエンジン交換ペナルティによって、もう一つずつポジションが上がるしね。決勝でのポイント獲得をかけて戦うには素晴らしい位置だと思うよ。

ジョナサン・エドルズチーフレースエンジニア

昨夜は、FP1とFP2で集めたデータを分析し夜を徹して作業に取り組んだんだ。FP2で、ある程度自分たちの競争力が確認できたから、FP3ではタイヤの作動温度や空力に焦点を当てたプログラムを組んだ。ピエールのマシンでダウンフォースを変更して走らせてみたんだけど、期待してたような結果が得られなかったから、セッションの途中で元のセッティングに戻した。スパでは、前のマシンのトゥの影響がない状態で走ることが難しいから、空力関連のテストは中々難しいんだ。

その一方で、ブレンドンのマシンで実施したセットアップやタイヤのテストは上手くいった。ただ、FP3セッション最後のレッドフラッグの影響で二人とも2回目のランを走り切れなかったから、データ分析が不完全になってしまった。予選に向けては最適と思われる空力セットアップで臨み、スリップストリームを使う作戦を実行した。それが奏を功してくれて見事Q2進出を果たす事ができたよ。

Q2の最初のアタックで中々良いタイムが刻めたから、最後の走行は1回だけに絞ることにしたんだ。でも、ブレンドンが1コーナーでリアをロックさせてスピンしてしまったため、すぐ後ろを走っていたピエールにも影響が及んでしまった。とは言え、一つ上の順位のマシンとのタイム差が大きかったから、スピンが無くても予選順位は変わらなかったと思う。

11番手と12番手を手に入れたから、決勝では一つ繰り上がって10番グリッドと11番グリッドからスタートする事になる。当初予想してたより良いポジションだし、明日の決勝で前向きなリザルトを狙う上でも悪くない位置だと思う。

最後に、今日の予選で最高の結果を残したレーシングポイント・フォースインディアを祝福したい。色々と不安定な状況が続いていたにも関わらず、難しいコンディションの中で見事なパフォーマンスを披露した彼らの姿が見れて嬉しいよ。

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

昨日と今日のプラクティス走行を通して、シャシーとパワーユニットを含めたパッケージ全体を改善させるべく様々なアプローチを試み、その結果からベストと思われるセットアップを選択して今日の予選に臨みました。

結果としてQ3進出は逃したものの、明日はポイント獲得が期待できる11番手と12番手ポジションからのスタートとなります。変わりやすい天候も考慮しつつ、トロロッソと共にレースに向けた準備を進めていきたいと考えています。


スパウェザーが大混乱を引き起こした予選では、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得。2番手はスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。3番手は新生レーシングポイント・フォースインディアのエステバン・オコンという結果となった。

2018年F1第13戦ベルギーグランプリ決勝レースは、日本時間8月26日(日)22時10分から行われ、1周7004mのスパ・フランコルシャン・サーキットを44周する事で勝敗を決する。

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