小松礼雄代表や当のニコ・ヒュルケンベルグはあまり真剣に受け止めていないようだが、F1バーレーンGPの初日FP2で刻まれたハースVF-24のラップタイムにアレックス・アルボン（ウィリアムズ）は驚きを隠さなかった。

下馬評で最下位との見方が大多数を占めるハースは、日中に行われた1回目のフリー走行で2台揃ってタイムシートの最後尾に沈んだ一方、予選および決勝と同一時間帯に行われたFP2ではライバルの予想を超える速さを見せた。

ヒュルケンベルグはマックス・フェルスタッペン（レッドブル）に1000分の33秒差という7番手タイムを記録し、メルセデス、アストンマーチン、フェラーリ、マクラーレン、そしてレッドブルに混ざってトップ10に名を刻んだが、今年37歳を迎えるドイツ出身のベテランドライバーはタイムシートを額面通りには受け止めていない。

「かなり良い1日だったけど、まだシーズン最初の日だし、あまり参考にはならないね」とヒュルケンベルグは語る。

「FP1はロングランのレースペースに焦点を当てて、幾つかのことを試した。FP2で出した1ラップペースは少し予想外だったかもしれないけど、今は過度に興奮したり気負ったりする理由はない。少ない燃料で走行していない人もいたはずだしね」

小松礼雄も「ニコのラップはかなり良かったです。ですがそれは私にとっての主な関心事ではありません」と意に介さない様子だが、アルボンはVF-24の速さに注目している。

「FP1での自分達のペースには驚いたけど、ミディアムとは対照的にソフトを履くと少しペースが落ちてしまう。バランスと言う点で幾つか課題があるけど、兎に角、周りのクルマが速かった。特にハースだ。だからもっと上手くやらないと駄目だ」とアルボンは気を引き締めた。

昨年のハースは予選でこそ時折、光る速さを見せたものの、タイヤマネジメントに問題を抱え続け、酷いデグラデーションによってレースでポジションを落とし続ける1年を過ごした。そこでプレシーズンテストでは一貫してロングランに取り組んだ。

小松礼雄は、テストを経てなお自分達の「最大の弱点」は燃料を多く積んだ状態でのロングランだと主張し、この日のプログラムについて「FP1ではテストで取り組んだ作業を継続しました。高燃料でのロングラン・パフォーマンスですね。そのため、FP1のタイムシートでは揃って最下位に沈みましたが、それについては気にしていませんでした」と説明した。

「FP2はかなり寒く、テストを比較してコンディションが大きく異なっていました。どちらのセッションもテストの時より風がかなり強くて大変でした」

「パフォーマンスランの後は再び、燃料を積んで周回を重ねました。まずまずでしたが、もう少し作業が必要です。テストから得た知見が功を奏して状況は改善していますが、もう一歩を踏み出す必要があります」

14番手タイムで初日を終えたケビン・マグヌッセンは、タイヤのデグラデーションについて「正しい方向に進んでいるように感じている。実際のレースでクルマのペースがどうなるかは気になるところだけど、デグラデーションは改善されている」と明かした。

2024年F1バーレーンGPの初日F2をトップで締め括ったのはルイス・ハミルトン。2番手にジョージ・ラッセルが続き、メルセデスがタイムシートの最上位を独占した。

3回目のフリー走行は日本時間3月1日(土)21時30分から、公式予選は同25時から1時間に渡ってバーレーン・インターナショナル・サーキット（BIC）で開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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