移動バスの中で話をするレッドブルのダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペン、2018年F1アゼルバイジャンGP決勝
copyright Red Bull Content Pool

遺恨必至?同士討ちの大失態演じたレッドブル、ドライバー二人がチームに謝罪

  • Published:

アストンマーチン・レッドブル・レーシング(Aston Martin Red Bull Racing)のシーズン第4戦は、計22ポイントもの大量ポイントを自ら放棄する最悪の結末で幕を閉じた。

マックス・フェルスタッペンは4番グリッドから、ダニエル・リカルドは5番グリッドからアゼルバイジャンGPの決勝レースをスタート。両者はレース序盤から激しいチームメイトバトルを演じ、時折タイヤ同士が接触するなど、際どいバトルを展開。極めつけには同士討ちを喫した。

40周目、ホームストレートエンドでブレーキング勝負に持ち込んだ5番手リカルドに対して、前走のフェルスタッペンが走行ラインを変更。リカルド避けきれずこれに追突し、2台のマシンは無残な傷を負った。これを目の当たりにしたデザイナーのエイドリアン・ニューウェイは首を横に振り、即座にピットウォールを立ち去った。

「映像を見直したけど、僕ら2人はチームに謝罪する他にないと思う」とリカルド。責任は両者にあるとの認識を示した。「これで最後にしたい。チームがバトルを許可してくれている事に本当に感謝してる。クリーンにやろうとしていたし、互いにスペースを与えようとしたけど、必死にレースをしていた結果こうなってしまった」

「これ以上話すつもりはないけど、今回は最悪のシナリオだったし、チームの皆もかなり打ちのめされてる。チームには個人的に謝るつもりだ。こんなにも素晴らしいマシンを用意するために懸命に頑張ってくれている時に、こういう事態を引き起こしてしまって本当に申し訳なく思ってる」

F1アゼルバイジャンGP決勝レースで激しいチーム内バトルを繰り広げるレッドブルのダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペン
© Getty Images / Red Bull Content Pool、激しいバトルを繰り広げるリカルドとフェルスタッペン

チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、リカルドとフェルスタッペンの両者から謝罪があった事を明らかにした上で、次のように述べ失望感をあらわにした。「チームにとって大きな失望である事は間違いない。我々はドライバーにホイール・トゥ・ホイールのバトルを許可している。この2年、彼らは互いにバトルをしつつもきちんと結果を残してきたが、今日は残念なレースになってしまった。だがもう起きてしまったことだし、責めるつもりはない」

普段から強気の姿勢を崩さず挑発的な発言が議論の的となるフェルスタッペンだが、この日は素直に謝罪の言葉を口にした。

「不必要に多くのポイントを失う結果となってしまい、チームにとって非常に残念な一日だった。僕らドライバーは、究極的にはチームのために、そして多くの人達を代表してレースをしているわけで、今回のような出来事はお互いにとっても良くない事だ。誰に責任があるかなんて事は話す必要のない話だと思う」

「スリップストリームの影響が大きい上に、僕らのマシンは同じ位のスピードだったから、レース中は常にかなり接近してたんだ。アクシデントが起こる前は激しくはあったけどフェアなバトルをしてたと思う。お互いにスペースを与えてた。少しばかりホイールが当たる事もあったけど、レースとしては普通のレベルの接触だった」

「でも、その後の一件は良くない事だった。お互いに今回の事から学んで、今後同じような事を起こさないようにしなきゃならない。チームオーダーはレッドブルが取るべき道じゃないと思うけど、チームとして話し合いをして学ばなきゃならないと思う。ダニエルと毎回本当にフェアにバトルしてきたし、今回の件もすぐに話をしたよ。今はチーム全員に対して謝りたいし本当に申し訳なく思ってる」

喧嘩両成敗の格好となったものの、フェルスタッペンもリカルドもチームへの謝罪を口にする一方で、お互いに対する謝罪は明確にしておらず、遺恨が残らないとは言えない状況と見受けられる。リカルドにとっては来季のシートを巡る大事な時期であるだけに、チームからの赦しを好意的に受け止めるか、それとも度々攻撃的なレースをみせる同僚との関係を見直すべきだと捉えるのか。去就への影響が注目される。

F1アゼルバイジャンGP特集