マクラーレンのランド・ノリスと話すレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年7月3日F1オーストリアGP予選を終えて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

フェルスタッペン、今季4度目のポールもチームの”思いやり”戦略に不満「二度とやらない」

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結果的にレッドブル・ホンダの”思いやり”は裏目となり、完璧主義を貫くマックス・フェルスタッペンには届かなかった。23歳のオランダ人ドライバーは7月3日のF1オーストリアGP公式予選で今季4度目のポールポジションを獲得したものの、チーム戦略に不満を抱いていた。

3戦連続でのポールポジションを獲得したものの後続とは僅差だった。マクラーレンのランド・ノリスは前を走るフェルスタッペンのスリップストリームを得て加速。1000分の48秒差の2番手につけた。

予選リザルトが確定し、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼとチーム代表のクリスチャン・ホーナーが無線を通して「素晴らしい仕事ぶりだった」と声をかけると、フェルスタッペンは「もう絶対に2度とあんな事はやらない。最初に出るなんてね。1番手だけど、それについては後で話そう」とフラストレーションをあらわにした。先陣を切って最終アタックに向かうという戦略が気に食わなかったようだ。

フェルスタッペンは「こうしてまたポールポジションを獲得できた事は無論、本当に満足だ」としながらも「コースに出て初めて自分が先頭だと分かったから、それに従って走るだけだったけど、まさかこんなにもストレートでタイムを失うとは思ってもみなかった。次回はそれを念頭に入れるべきだ。こんな事なら(走行せずに)ピットの中にいる方がマシだ」と語った。

先頭でコースに送り出すという戦略を採用した理由、そしてフェルスタッペンが不満を抱いていた訳についてホーナーは、Sky Sportsとのインタビューの中で次のように説明した。

「マックスは常に、更にもう一歩上のパフォーマンスを追い求めている。今日はクルマにもっと多くの可能性を感じていたのだと思う」

「1回目の走行で僅かにロックアップがあったため、最後はクリーンエアーで走らせてあげようと思ったんだ。その結果、彼は隊列の先頭に立つ事になったわけだが、それによって彼のすぐ背後にいたランドが僅かながらにトウの恩恵を受ける事になった」

「彼が少し不満を感じていたのはそういう理由だ」

当のフェルスタッペンは、Q1とQ2の走行に関しては満足感を示したものの、Q3のラップは”常に完璧を目指す”自分としては「完全に満足できるものでなかった」として、向上心こそが人を成長させる原動力だと信じていると語った。

また、チームメイトのセルジオ・ペレスが3番手につけた事については「チームにとっても良いこと」であるとして、決勝レースでのダブル表彰台を目指していくと誓った。

なお同じフロントローに並ぶノリスについては「素晴らしいラップだった」と称賛する一方で、レースペースという観点から決勝で直接のライバルになる事はないと思うとの考えを示した。

「ここ数戦は、クルマとエンジンを含めたパッケージ全体が本当に上手く機能してくれているから凄く満足しているし、明日に向けて自信を持っているけど、タイヤが先週末よりも1段階柔らかい分だけマネジメントが難しいし、決して楽にはいかないと思う」

2021年 F1オーストリアグランプリ決勝レースは、日本時間7月4日(日)22時にスタート。1周4326mのレッドブル・リンクを71周(306.452km)する事でチャンピオンシップを争う。

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