赤色のソフトタイヤを履いてレッドブル・リンクを走行するメルセデスW11、2020年F1オーストリアGP初日フリー走行
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メルセデス、追随許さぬパフォーマンス…一方で2台各々トラブルも

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メルセデスAMGのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが7月3日(金)に行われた開幕オーストリアGP初日プラクティスを振り返った。2台の”ブラック・アロー”は他の追随を許さぬ圧倒的なタイム差で両セッションを制した。

FP2ではハミルトンが1分4秒304で最速を刻み、ボッタスが0.197秒差で2番手に続いた。後続とのギャップはコンマ5秒開いた。タイムシートとしては順風満帆そのものであったが、トラックサイド・エンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは次のように述べ、2台が各々別個の技術的トラブルに見舞われていた事を明かした。

「冬のテストの時と比べて、今回はマシンに新しい開発を多く投入していたため、すべてが期待通りに機能しているかどうかを確認しなければならず、また、2台の走行に支障をきたすような問題が幾つかあったため、慌ただしい一日だった」

「ルイスの方は2回目のセッション開始時にテレメトリーが停止してしまい中々コースに出られず、バルテリの方はギアボックストラブルに見舞われてしまい早めにストップを強いられた。バルテリの件については現在も調査中であり、現時点で原因は分かっていない」

不安材料を抱えたままに初日の夜を過ごす事になりそうだが、ショブリンは「ここ数年このサーキットは我々にあまり優しくないのだが、今年はクルマがボチボチ順調に機能してくれているように見える」とも述べ、順調に進んでいると強調した。

Pos Driver Time Gap Laps
1 ルイス・ハミルトン 1:04.304 42
2 バルテリ・ボッタス 1:04.501 +0.197 37

なおセッション終了後、レッドブル・ホンダが2軸ステアリングシステム、通称「DAS」に関する正式抗議を申し立てたが、国際自動車連盟(FIA)は6時間半に渡る審議の後にこれを棄却した

メルセデス:F1オーストリアGP初日

ルイス・ハミルトンFP2: 1位, FP1: 1位

戻ってこれて本当に良かった。長かったよ。数週間前にシルバーストンでテストした2018年型マシンと比べると、今年の新車のフィーリングが違うのは明らかだね。昨年と比較してマシンを改善し続ける事ができていると思うし、本当にポジティブだ。

コースは少し滑りやすかった。グリップはこの後上がっていくと思うけど、今日の改善レベルはほんの僅かだったように思う。

今日は良い感じだったけど、まだプラクティスだから安心はできない。ライバル連中がどんなパワーレベルと燃料量で走っていたか分からないわけだからね。だから今日の結果は今日のものとして、今夜もクルマを改良して明日の戦いに備えることにするよ。

ヘルメットを被るルイス・ハミルトン、2020年F1オーストリアGP初日フリー走行

バルデリ・ボッタスFP2: 2位, FP1: 2位

マシンに戻ってこれて最高だよ。1周1周を本当に楽しんだ。今日は1日を通して一歩一歩着実に進歩を遂げる事ができた。終盤にマシンに小さなトラブルが出てしまったけど、全体としては真っ当な一日だった。

今日はグリップレベルが相当低かったけど、週末にはコースの状態も良くなってくると思う。このサーキットは路面のグリップに応じてセッティングが大きく変わるから、その点をしっかりと把握しておかなきゃならない。

主な課題はレースペースを意識しながらも、高速コーナーと低速コーナーのバランスを取って土曜の1ラップ(予選)に向けてマシンを微調整することだ。

明日は路面状況も改善されるだろうし、各チームもパフォーマンスアイテムを追加し、ドライバーもハードにプッシュしてくるだろうから、そうなった時に自分たちがどの位置にいるのか興味深いね。

ヘルメットを被るバルテリ・ボッタス、2020年F1オーストリアGP初日フリー走行


初日をトップで締め括ったのはメルセデスAMGのルイス・ハミルトン。2番手で僚友のバルテリ・ボッタスを0.197秒差で退けた。3番手には0.641秒遅れでレーシングポイントのセルジオ・ペレスが続く結果となった。

2020年F1オーストリアグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間7月4日(土)19時から20時まで、公式予選は同22時から1時間に渡ってレッドブル・リンクで開催される。

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