ポール・モナハンと一緒にモニターを見つめる田辺豊治テクニカル・ディレクター、F1アゼルバイジャンGPにて
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ホンダF1、RB15が大破「事故に遭ったのは金曜専用パワーユニット」F1オーストリアGP《初日》

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ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、6月28日(金)に行われたF1第9戦オーストリアGP初日プラクティスを振り返った。

ホンダは前戦フランスGPで唯一、スペック3の投入を見送っていたトロロッソのアレックス・アルボンに最新型エンジンを投入。今季4基目となるICE、ターボチャージャー、MGU-H及び、3基目のMGU-Kの封を切った。これにより、決勝ではグリッド降格ペナルティを受ける。

午後の2回目のセッションでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが強風に煽られて最終コーナーでクラッシュ。リアを滑らせ高速のままタイヤウォールへと激突し、マシンはリア周りを中心に大きく破損した。

当初ギアボックスとパワーユニットへのダメージが懸念されたが、積んでいたのはいずれも金曜フリー走行専用品。幸いにも、交換によってグリッド降格が科される心配はない。とは言え、他車が軒並み40周近くを走り込んだ中、フェルスタッペンは走行わずか13周。トップからコンマ8秒遅れの9番手に終わった。

僚友ピエール・ガスリーはトップからコンマ4秒遅れの3番手につけたものの、タイムとしては午前のFP1で自身が刻んだ6番手タイムよりも遅く、タイムシート上の見た目とは裏腹に、決して順風満帆なわけでもない。

トロロッソ勢は、降格のアルボンが決勝を見据えたセットアップ作業に取り組み、ダニール・クビアトはショートランでソフトコンパウンドを機能させるための検証作業に従事。ロングランに関しては堅実なペースを発揮したものの、一発のランは要改善といった具合で、アルボンが13番手、クビアトは15番手で初日を締め括った。

  • 3番手:ガスリー(Red Bull)
  • 9番手:フェルスタッペン(Red Bull)
  • 13番手:アルボン(Toro Rosso)
  • 15番手:クビアト(Toro Rosso)

ホンダ:オーストリアGP初日

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

午後のセッションでは、風の影響によって多くのドライバーがコースオフを喫し、マックスもリアエンドからバリアへとクラッシュしてしまいました。ですが、幸いにも今日は金曜日用のパワーユニットを使用していましたので、当初の予定通り、今晩スペック3への交換を行う予定です。

なお、クラッシュしたマシンのパワーユニットについては、早急にHRD-Sakuraへと送り返し、ダメージ度合いを徹底的に確認するつもりです。

今回からアルボンを加えた4台全てマシンにスペック3を載せることになりましたが、マックスのアクシデントを除けばスムーズなセッションでしたし、ショートランとロングランを含め、レッドブル・リンクに適したパワーユニットの調整作業を進めることができました。明日も予選と決勝に向けて最適化を継続していきます。


初日をトップで締め括ったのはスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール。2番手メルセデスのバルテリ・ボッタスをコンマ3秒差で退けた。3番手にはレッドブル・ホンダのピエール・ガスリーが続く結果となった。

2019年F1オーストリアグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間6月29日(土)19時から20時まで、公式予選は同22時から1時間に渡ってレッドブル・リンクで開催される。

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