アウディF1、ニール・ジャニとのシミュレータードライバー契約を発表…PU開発 次フェーズに

アウディF1のシミュレータードライバーに就任したニール・ジャニ、2023年6月 (2)Courtesy Of Audi

アウディは6月22日(木)、2026年F1パワーユニット(PU)開発プロジェクトの次のステップに向けてニール・ジャニとのシミュレータードライバー契約を発表した。

39歳のスイス人ドライバーはF1やGP2、A1グランプリ、チャンプカーやル・マン24時間レース、フォーミュラEなど、様々なモータースポーツ・プログラムでの多様な経験を活かしてアウディ初のPU開発を支援していく。

株式の取得を含むザウバーとの戦略的パートナーシップを以て次世代PUが導入される2026年のF1に参戦するアウディは昨年末以来、単気筒テストを繰り返しており、独ノイブルクでは現在、ドライビングシミュレータのアップデートが行われている。

アウディAG技術開発担当取締役を務めるオリバー ホフマンは「我々のF1プロジェクトでは生産開発と同様にシミュレーションが大きな役割を果たしている。シミュレータはPU開発の重要なツールだ。このプロジェクトには技術的な把握に加えて、特にレースコンディションでのエネルギーマネジメントに関して多様な経験をもたらしてくれる開発ドライバーが必要だ」と語る。

Courtesy Of Audi

アウディF1のシミュレータードライバーに就任したニール・ジャニ、2023年6月 (1)

ジャニは2006年シーズンのF1でスコット・スピード、ヴィタントニオ・リウッツィと共にスクーデリア・トロ・ロッソのサードドライバーを務め、2008年にはレッドブル・レーシングでテストドライバーを担当。またポルシェチームから参戦した2016年のFIA世界耐久選手権(WEC)ではル・マン24時間レースで劇的な優勝を飾った。

「アウディのF1参戦に向けた旅に同行できる事を嬉しく思う。この規模のプロジェクトに早い段階から携われることは名誉であると同時に大きな責任を伴うものだ」とジャニは語る。

「F1やLMPプロジェクトでの経験を活かし、理論と実践との間を上手く取り持つことができると確信している」

PU開発の現状についてF1プロジェクトを指揮するアダム・ベーカーは「フォーマンスとの関連性が高い基本的なコンセプトの問題に主に焦点を当てている」と説明する。

「だが様々な技術的ソリューションを評価する際にデジタル手法だけに頼っているわけではない。シミュレーションから正しい結論を導き出すためには、ノウハウ、経験、実践に即した開発が不可欠だ」

「これらの組み合わせにより我々は、早い段階で様々なオペレーション戦略を評価し、パワーユニットの効率的なエネルギーマネジメントへの道を開くことが可能となる」

ICE(内燃エンジン)、電気モーター、バッテリーおよび制御電子機器からなるアウディ最初のハイブリッドパワーユニットは年内にダイナモでの稼働が予定されている。

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