性能優先の“しわ寄せ”が…改良版アストンマーティン・ホンダAMR26に潜む「予備欠品」リスク

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アストンマーティン・ホンダは、2026年F1第11戦ハンガリーGPで今季初の大型アップデート・パッケージを投入する。これはグリッド最下位から脱し、中団争いに加わるための第一弾の手札だが、スペアパーツの確保という点で懸念がある。

挽回に向けてエイドリアン・ニューウェイが総力を挙げるなか、「Bスペック」と呼べるほどの根本的な変更ではないものの、ハンガロリンクでAMR26は、リヤサスペンションやノーズの変更、幾つかの空力パーツの刷新に加え、車体重量が削減される見通しだ。

性能優先のしわ寄せ、スペア不足への懸念

このアップグレードは、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールの両名分が用意される見通しだが、十分な数のスペアパーツまで確保できない可能性が浮上した。

イギリスの専門誌『Autosport』によると、現場チームを統括するマイク・クラックは第10戦ベルギーGPに先立ち、2台分のスペアパーツを十分に確保できるかどうかが、チームにとって「最大の焦点」だと認めた。

「私は前向きな考えの持ち主だから、2台とも走れる状態に仕上がると思っている。ただ、正直に言えば、各パーツの予備を5個ずつ用意できるとは思えない」とクラックは語った。

クラックによれば、これまでアップグレードを先送りして十分な時間があったにもかかわらず、スペアパーツの確保に懸念があるのは、パーツの製造を可能な限り遅らせる方針を取ってきたためだ。

これは改良型AMR26を少しでも良いものにするため、競争力強化に向けて設計フェーズを優先したことによるものだが、その結果、望むほどのスペアを用意できない可能性が生じているという。

パーツ欠品に備える複数の対応策

アストンマーティン・ホンダのチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラック、2026年7月5日(日) F1イギリスGP決勝(シルバーストン・サーキット)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーティン・ホンダのチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラック、2026年7月5日(日) F1イギリスGP決勝(シルバーストン・サーキット)

一方で、幾つかのスペアパーツの製造が間に合わなくても、パッケージ全体が成り立たなくなる事態を避けるため、緊急時の対応計画を用意しているという。

「常に複数のシナリオを用意しなければならない。この部品はあるが、あの部品がない場合にどうするのかということだ。ひとつのパーツが欠けただけで、すべてを実施できなくなるような状況は避けなければならない」とクラックは語った。

「そのための計画は用意してある。これがなかったらどうするのか。こちらを使って走れるのか。繰り返しになるが、あらゆるものについて完全な予備を用意できるわけではない」

「それでも全員が、緩和策を用意するという点で、よくやってくれたと思う。ひとつかふたつのコンポーネントが間に合わなかった場合に備えた計画も用意している」

ハンガリーのパッケージは、二段階計画の第一段階にあたる。第二段階のアップグレードは、サマーブレイク明けの第12戦オランダGPで投入される予定だ。そこでは、今季唯一となるホンダのアップグレード版パワーユニット(PU)が同時に持ち込まれる。

埋まるか1秒差、クラック期待を牽制

アストンマーティン・ホンダは現在、新規参入したばかりのキャデラックに対してさえ、予選で1周あたり約1秒もの大差をつけられている。

ニューウェイは、一連のアップグレードによって中団上位争いに接近したいとの意向を示しているが、クラックは「期待については慎重になる必要があると思う」と牽制した。

「我々は先頭集団からかなりの遅れを取っており、中団からも引き離されている。だからハンガリーではまず、クルマを実際に走らせることが重要だ」

「予測するのは難しい。ご存じの通り、サーキットごとに特性が異なるためだ。時には弱点が露呈することもあるし、時には強みが際立つこともある。そのため、状況はシーズンを通じて変化していくだろう」