角田裕毅、ホーナーへのレッドブル昇格推薦は不要とアルファタウリ代表トスト

スクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表と角田裕毅、2022年11月19日F1アブダビGPにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

スクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表は、クリスチャン・ホーナーに推薦するまでもなく、このままの調子で成長し続ければレッドブルは角田裕毅の昇格を議論する事になるだろうと考えている。

3シーズン目を迎えた角田裕毅はその体つきだけでなく、コックピットの中でも明らかに成熟した事を証明している。週末ごとに序列が変動するタイトなミッドフィールドにあって終始、10位争いを繰り広げ、第3戦オーストラリアとこれに続くアゼルバイジャンで2戦連続となる入賞を飾った。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ヘルムート・マルコと握手を交わす角田裕毅(アルファタウリ)、2023年4月30日F1アゼルバイジャンGP決勝レース

この活躍を受けてホーナーは、角田裕毅の成長を認め、その成熟ぶりを評価しつつも、レッドブル昇格にはまだ時期尚早との考えを示した。チームはマックス・フェルスタッペンと2028年末まで、セルジオ・ペレスとは2024年末までの契約を交わしている。

仮に口添えしたとしても角田裕毅の次のキャリアに道が切り開かれるかどうかは分からないが、少なくともトストはその必要はないと考えている。

マイアミ・インターナショナル・オートドロームでトストは「ユーキに推薦は必要ない。彼は速い。過去2年間に渡って素晴らしい仕事をしてきた」と語った。

「これからも同じようにレース毎に改善し、パフォーマンスを発揮していけば、レッドブルはそれについて議論するだろう」

「彼はいい状態にあると思うが、どうなるか見守ろう。彼にもう1シーズン必要なのは確かだ」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ファンの写真撮影の求めに応じてポーズを取る角田裕毅(アルファタウリ)、2023年5月4日F1マイアミGP

トロ・ロッソ設立の2006年当初から18シーズンに渡って伊ファエンツァのチームを率いてきたトストはこれまで、チーム代表として計16名のドライバーと仕事をしてきた。

その中で卓越していたのは「マックス・フェルスタッペンとセバスチャン・ベッテル」だが、他にも「カルロス・サインツ、ピエール・ガスリー、リカルド、ダニエル、そして角田裕毅のような本当に速いドライバー達」の成長を見守る事ができて「良かった」とトストは回顧した。

トストによれば、ディートリッヒ・マテシッツがミナルディを買収した主たる目的の一つは「レッドブルの若手ドライバーの教育」のためだった。

68歳のオーストリア人マネージャーは引退後、趣味のスキーを楽しみたいと明かしているが、フォーミュラ・フォード1600に参戦していた若き日のように、再びステアリングを握る可能性もあるという。

「F1が私を恋しく思うかどうかは分からないが、もちろん私はF1を恋しく思うだろう」とトストは語る。

「私はF1が大好きだが、カートを始めたり、再びレースを始めたりするかもしれない。歳を取ると分からないものだ」

「私の歳では中年の危機とは言えないから老年の危機といったところだろうか、(引退後に)どんな事が頭に浮かぶかは分からないが、退屈する事はないだろう」

2023年シーズン末を以てチームプリンリパルの座を退くトストにとって角田裕毅は、F1キャリアにおける最後の教え子となる。

F1マイアミGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了