ザントフォールトのパドックでインタビューに応じるフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年8月24日(木) F1オランダGP
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

フェルナンド・アロンソ、F1後半戦でのアストンへの期待値下げる

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フェルナンド・アロンソはF1第14戦オランダGPより始まるシーズン後半戦でのアストンマーチン「AMR23」の競争力に過度な期待を抱いておらず、前半戦ほど輝かしい成績を残すことは厳しいと考えている。

42歳のスペイン人ドライバーは前半12戦で6回の表彰台を獲得し、10戦を残した現段階でドライバーズ・ランキング3位につけている。これは最強RB19を駆るレッドブルのドライバーを除く最高位だ。

ザントフォールトでのFIA記者会見でマイクを握るフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年8月24日(木) F1オランダGPCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

ザントフォールトでのFIA記者会見でマイクを握るフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年8月24日(木) F1オランダGP

とは言え、序盤6戦で稼いだポイントが93点であるのに対し、続く6レースで持ち帰ったのは56点と、開発競争でライバルに先行を許した事で第7戦スペインGP以降は失速傾向にあり、自身が認める通り、10年ぶりとなるキャリア通算33勝目の可能性は遠ざかっている。

ザントフォールト・サーキットに姿を見せたアロンソは、後半戦でのポディウム登壇を「願っている」とする一方、「表彰台争いは激化している」と述べ、前半と同じペースでトップ3に食い込むのは厳しいとの見通しを示した。

「ガッカリしているわけじゃないけど今は状況が難しくなっている。前にも言ったけど、表彰台を巡る競争は激化している」

「今は4チームが拮抗して争っている状況だから、シーズン後半であと6回、表彰台に上がるのは難しいだろう。2・3回上がれれば満足だろうね」

最後に表彰台に上がったカナダGPでは、セルジオ・ペレスを打ち負かしてランキング2位でシーズンを締め括れると笑顔を見せたアロンソだが、今ではその自信も揺らいでいる。

3位を維持できるか?と問われると、ライバルチームの改善次第であり、アストンマーチンは現時点でメルセデスより若干劣っているとして「分からない」と答えた。

2位トロフィーを手に表彰台を喜ぶフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年6月18日F1カナダGPCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

2位トロフィーを手に表彰台を喜ぶフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年6月18日F1カナダGP

そもそも、シーズン序盤のAMR23の競争力はアロンソにとって「ある意味、予想外」だったという。

「開幕戦で僕らがかなり力強い立場にあることが分かったから、序盤の幾つかのレースはあらゆるチャンスを最大限に活かしたけど、毎週末に渡ってポイントを獲得したとは言え、直近の数レースに関しては序盤ほど競争力がなかったかもしれない」

「後半に向けて競争力を回復させたいと思っているけど、今ではメルセデス、フェラーリ、アストンマーチン、マクラーレンの4チームがレッドブルの背後にひしめいている」

「だから最後のアブダビGPまでこの争いに絡み続けることが希望であり目標だ」

序盤の調子を取り戻すための課題は何か?「物事が急速に変化していくのがF1だ」とアロンソは指摘する。

「クルマの速さもさる事ながら、チームは冬の間に傑出した仕事をしてみせた。昨年の課題を理解し、信頼性や戦略を含むあらゆる面において、ほぼ全てのレースで見事な仕事をしてくれた」

「クルマのペースだけじゃなく、週末にはフリー走行から決勝に至るまで、すべてをマスターしなきゃならない」

「僕らは今、チャンピオンズリーグでプレーしているようなものだと思う。超一流チームを相手にコース外での開発を進めようとしている。これが今のアストンにとって最大の課題になるだろう」

ザントフォールトに持ち込まれたアップグレードについてアロンソは、今週末や残りのシーズンに向けた競争力の向上だけでなく、「来年のクルマの方向性が明確」になる事を期待していると付け加えた。

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