
DRSの次はこれだ。2026年F1豪州GP「ストレートモード5区間」と「オーバーテイク検知地点」が判明
新時代の幕開けとなる2026年F1開幕戦オーストラリアGPを前に、アルバート・パーク・サーキットに設定された「ストレートモード区間」、および「オーバーテイクモード」の検知/作動地点が明らかになった。
F1では今季より、大幅に電動化された次世代パワーユニットの導入に伴う、空気抵抗低減のためのアクティブエアロと、電動パワーを利用した新たなオーバーテイク支援システムが導入される。アルバート・パークは、その最初の実戦舞台となる。
5箇所に設定されたストレートモード区間
ストレートモードは、2026年から導入されたアクティブエアロの一形態だ。基本状態である「コーナーモード」と対を成し、ドライバーの操作によって前後ウイングのフラップ迎角を減少させ、空気抵抗を削減する。
システムを展開できるのは、マシンが停止している場合、またはコース上に設定された「アクティベーション・ゾーン(作動区間)」内に完全に入った場合に限られる。
アルバート・パーク・サーキットでは、計5箇所にアクティベーションゾーンが設定された。うち4箇所は昨シーズンまでのDRS区間と同じ位置に設けられたが、区間の長さは変更されている。これに加え、ターン5~6にかけての短いストレートにも新たなゾーンが追加された。
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アルバート・パーク・サーキット(F1オーストラリアGP)のコースレイアウト図-2026年版
ただし降雨などで路面グリップが低い場合や視界不良時には、使用条件が制限されることもある。その場合、ウイングの作動はフロントのみとなり、使用できる区間も「低グリップ・アクティベーションゾーン」に限定される。
| 通常路面時 | 低グリップ路面時 | |
|---|---|---|
| SMゾーン1 | ターン14の50m先 | ターン14の100m先 |
| SMゾーン2 | ターン2の20m先 | ターン2の45m先 |
| SMゾーン3 | ターン5の85m先 | ターン5の125m先 |
| SMゾーン4 | ターン8の35m先 | なし |
| SMゾーン5 | ターン10の60m先 | なし |
なお、キャデラックの新たな参戦に伴い、今季からグリッドに22台のマシンが並ぶことを受け、安全上の懸念からピットレーンの速度制限を80km/hから60km/hへ引き下げる計画もあったようだが、FIAによれば速度制限は従来通り80km/hのままとなる。
オーバーテイクモード検知は最終コーナー手前
DRSの後継となるオーバーテイクモードは、電気エネルギー回生システム(ERS)の出力制限を一時的に引き上げ、追い抜きを支援する仕組みだ。
アルバート・パークでは、ターン13の15m先に検知地点が設けられ、アクティベーション・ラインはターン14のエントリーに配置される。検知地点通過時に前走車との差が既定値以内であれば、その先に続くアクティベーション・ラインからモードを有効化できる。
このモードが作動すると、最高速域でのモーター出力制限が緩和される。通常モードでは車速が340km/hを超えるとMGU-Kの出力が段階的に制限され、345km/hで完全にゼロになる。
だがオーバーテイク・モードでは、この制限が355km/hまで引き上げられる。ストレート終盤まで最大350kWの電動アシストを維持できるため、他車に仕掛ける際のスピードの”伸び”が大きく高まる。
さらにエネルギー回生量も拡張される。通常は1周あたり最大8.5MJに制限されるが、このモードが有効な状態でコントロールラインを通過したラップでは、最大0.5MJの追加回生が認められる。
なおフリー走行や予選では、システムが常時有効となる。一方、決勝レースやスプリントでは、検知地点で前走車とのギャップが既定値以内に入った場合に限り、有効化が許可される。
2026年のF1では、アクティブエアロと、エネルギーマネジメントを含む電動パワーの組み合わせがオーバーテイク戦略の中心を担うことが予想される。アルバート・パークは、そんな新時代を占う最初のテストケースとなる。