インディ500:赤旗3回大波乱…ニューガーデン、最終周再開で逆転勝利!佐藤琢磨は7位
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第107回インディ500が米国現地5月28日(日)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が12回目の挑戦にして初の500優勝を飾った。30万人超の観客がこれを祝福した。
前半こそ平穏な展開が続いたが、レース終盤に向けて5度のイエローコーションと3回の赤旗が振られる例年通りの波乱が勃発。残り1周でのリスタートを迎え、史上5人目となる連覇を狙うマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)を交わして地元ファンの大歓声を浴びた。
THE FINAL LAP OF THE 107TH #INDY500.
JOSEF NEWGARDEN WINS! pic.twitter.com/jgsyatqtFS
— INDYCAR on NBC (@IndyCaronNBC) May 28, 2023
プラクティスを通して3度の最速を刻み、3列目中央の8番グリッドからスタートした佐藤琢磨は7位でフィニッシュした。33台の内、メカニカルトラブルやクラッシュにより計12台がリタイヤした。
Pos. | Start | Driver | Gap |
---|---|---|---|
1 | 17 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
–.—- |
2 | 10 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
0.0974 |
3 | 4 | サンティノ・フェルッチ A.J. Foyt Enterprises |
0.5273 |
4 | 1 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
0.7638 |
5 | 7 | アレキサンダー・ロッシ Arrow McLaren |
0.9934 |
6 | 6 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
1.4316 |
7 | 8 | 佐藤琢磨 Chip Ganassi |
1.5770 |
8 | 16 | コナー・デイリー Ed Carpenter Racing |
1.8855 |
9 | 21 | コルトン・ハータ Andretti Autosport |
2.2248 |
10 | 2 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter Racing |
3.2648 |
11 | 18 |
ライアン・ハンター=レイ Dreyer & Reinbold Racing |
3.4223 |
12 | 27 | カラム・アイロット Juncos Hollinger Racing |
4.0470 |
13 | 25 | デブリン・デフランチェスコ Andretti Autosport |
4.7432 |
14 | 14 | スコット・マクラフリン Team Penske |
5.0045 |
15 | 20 | エリオ・カストロネベス Meyer Shank Racing |
5.4631 |
16 | 9 | トニー・カナーン Arrow McLaren |
5.7158 |
17 | 24 | マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport |
8.9800 |
18 | 32 |
ジャック・ハーヴィー Rahal Letterman Lanigan Racing |
1 lap |
19 | 30 |
クリスチャン・ルンガー Rahal Letterman Lanigan Racing |
2 lap |
20 | 13 | エド・カーペンター Ed Carpenter Racing |
3 lap |
21 | 11 |
ベンジャミン・ペダーセン A.J. Foyt Enterprises |
4 lap |
22 | 33 | グレアム・レイホール Dreyer & Reinbold Racing |
5 lap |
23 | 12 | ウィル・パワー Team Penske |
5 lap |
24 | 5 | パトリシオ・オワード Arrow McLaren |
8 lap |
25 | 22 | シモン・パジェノー Meyer Shank Racing |
8 lap |
26 | 26 |
アグースティン・カナピーノ Juncos Hollinger Racing |
8 lap |
27 | 3 | フェリックス・ローゼンクビスト Arrow McLaren |
17 lap |
28 | 15 | カイル・カークウッド Andretti Autosport |
17 lap |
29 | 23 | デイビッド・マルーカス Dale Coyne with HMD |
40 lap |
30 | 19 | ロマン・グロージャン Andretti Autosport |
51 lap |
31 | 31 |
スティング・レイ・ロブ Dale Coyne Racing with RWR |
110 lap |
32 | 28 | RC・エナーソン Abel Motorsports |
125 lap |
33 | 29 |
キャサリン・レッグ Rahal Letterman Lanigan Racing |
159 lap |
レース概要
3度目の栄冠に向けて佐藤琢磨は11周目にウィル・パワーに交わされ9番手に後退するも、前半は10番手前後をキープ。順調に周回を重ねていった。
ところが91周目に突如失速。一気に17番手にまで後退したが、ちょうどその瞬間、レイホールにイン側を刺された新人スティング・レイ・ロブがターン1でクラッシュ。93周目に1回目のイエローコーションが出され、佐藤琢磨は最後尾転落という最悪の事態を免れた。
ピットオープンと同時にラップダウン組を除く全車がピットイン。ポールシッターのアレックス・パロウは、リアを滑らせたヴィーケイに追突されピットウォールに衝突し、リードラップの最後尾に下がった。ヴィーケイにはドライブスルー・ペナルティーが科された。
CHAOS IN THE PITS@AlexPalou and @RinusVeekay collide.
WATCH LIVE: NBC & Peacock#INDYCAR // #Indy500 pic.twitter.com/YU2CWrKzbH
— NTT INDYCAR SERIES (@IndyCar) May 28, 2023
101周目にリスタートを迎えると佐藤琢磨は一気に3台を交わして14番手に浮上。134周目にピットストップを行い、10番手にポジションを上げた。アンドレッティ・オートスポーツはコルトン・ハータとロマン・グロージャンがピットレーンで接触。ハータにドライブスルー・ペナルティーが科された。
The teammates COLLIDE.@ColtonHerta and @RGrosjean come together on pit lane.
Herta is penalized for an unsafe release.
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— NTT INDYCAR SERIES (@IndyCar) May 28, 2023
残り50周ではグロージャンが単独クラッシュを喫し、2回目のイエローが出された。6周を経てリスタートを迎えると、ニューガーデンがエリクソンを交わしてトップに立った。その3周後、サンティノ・フェルッチが代わって首位に躍り出たが、最後のピット作業でタイムをロス。後退を強いられた。
Deja vu for @RGrosjean.
Grosjean is OUT of the #Indy500 after this incident in turn 2.
He's been seen and released.#INDYCAR // @FollowAndretti pic.twitter.com/mbrNi6tN3k
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他車の最終ピットインを受け佐藤琢磨は残り27周でラップリーダーに浮上。その2周後に最後のピットストップを行い11番手で復帰したものの、その後、ズルズルと22番手にまで後退した。
残り16周、ターン2でニューガーデンに抜かれ、ダーティーエアーの影響を受けたフェリックス・ローゼンクビストが壁に接触。コース側に弾き返され、スピンした所にカイル・カークウッドが突っ込む大きな事故が発生した。
車体はフロアを上に向けて路面に激しく叩きつけられ、車体は大きく損傷したが、幸いにもカークウッドは観客に手を振って自身の無事を伝えた。
A scary incident involving @KKirkwoodRacing and @FRosenqvist on lap 185 of the Indianapolis 500.
Both drivers were seen and released.#INDYCAR // #Indy500 pic.twitter.com/Ohl4yFqrky
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衝撃によって1本のタイヤがテザーを引きちぎって空高く上がり、フェンスと観客席を越えてコース外に。駐車場に停まっていたクルマのボンネットに落下した。怪我人の有無については分かっていない。
Here’s where that flying tire impacted in turn 2
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この事故を受け3度目のイエローが出されたが、すぐに赤旗に切り替えられ、レースは残り14周で中断された。首位はオワード。佐藤琢磨は12番手で残り9周のスプリントレースに臨んだ。
再開後、ニューガーデンが2台を交わしてターン1でトップに立った直後、最多リードラップ39周を記録していたオワードがクラッシュ。これにアグースティン・カナピーノが突っ込み、後方ではシモン・パジェノーがスコット・マクラフリンに追突され、イエローを経て再びレッドフラッグが振られた。
On the late-race restart, this incident with @PatricioOWard and @AgustinCanapino brought out another red flag.#INDYCAR // @IMS pic.twitter.com/SL3Si9dpQJ
— NTT INDYCAR SERIES (@IndyCar) May 28, 2023
ニューガーデン、エリクソン、フェルッチの順に残り4周でリスタートを迎えた瞬間、エリクソンがトップを奪還。だがその直後に後方で再び多重クラッシュが発生し、またもイエローが振られた。
ペースカー先導の下、このままチェッカーフラッグを迎えるかと思われたが、レースコントロールは赤旗を提示。3度目の中断を経て残り1周で再開されると、エリクソンが絶好の好スタートを切った。
ただ、ニューガーデンはトウを得て徐々に接近していき、最終2つ前のターンでオーバーテイク。0.0974秒差でエリクソンを振り切り、ロジャー・ペンスキーに500通算19回目の勝利を捧げた。
怪我で欠場を余儀なくされたステファン・ウィルソンの代役として参戦したグラハム・レイホールはエンジン始動に問題を抱えてスタートできず、3周遅れでコースインするも、22位でフィニッシュした。
シリーズ引退戦となったトニー・カナーンは16位でキャリアを締め括った。
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