2025年第109回インディ500オープンテストの2日目、佐藤琢磨（レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング／RLL）は、総合2番手となる232.565mphを記録。“ノートウ”ラップにおいては全体最速をマークし、予選シミュレーションで際立ったスピードを見せたが、その直後に大クラッシュに見舞われ、わずか8周でこの日の走行を終えることとなった。

インディアナポリス・モーター・スピードウェイで現地時間4月24日に実施されたテストは、午前と午後の2回に分けて行われた。午前のセッションでは、5月16日の「ファスト・フライデー」および17～18日に実施される予選と同様の高ブースト設定が適用された。一方、午後のセッションでは、レース本番と同じ低ブースト設定が使用された。

佐藤は午前中の“ブーステッド”セッションで、スコット・マクラフリン（チーム・ペンスキー）に次ぐ232.565mphの2番手を3周目に記録。このラップは、スリップストリームの恩恵を一切受けない“ノートウ”最速ラップとしても記録された。

だが、セッション開始からわずか8周目、ターン1でセーファーバリアに激突。94Gという非常に大きな衝撃を受け、クルマは深刻なダメージを負った。佐藤はメディカルセンターで検査を受ける事態となったが、「軽度の打撲」と診断され、幸いにも大きな怪我はなかった。

クラッシュ後、佐藤は「クルマのコントロールを失ってしまいました。体は大丈夫です」とコメント。自身のSNSでは、「時速233マイル（約375km/h）でリアを失い、94Gの衝撃がありましたが、軽い打撲だけで済み、感謝しています」と報告した。また、「余計な作業を増やしてしまい申し訳ない」とチームへの謝意を示し、「インディ500では強く戻ってきます」と力強く宣言した。

佐藤は2025年のインディ500にスポット参戦する予定であり、2017年と2020年に続く3度目のインディ500制覇を目指して準備を進めている。

佐藤のクラッシュに先立ち、2024年のインディ500ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたカイル・ラーソン（アロー・マクラーレン）も、同じくターン1でセーファーバリアに衝突し、早々にテストを終えた。ラーソンは、インディ500決勝が行われる5月25日に、シャーロット・モーター・スピードウェイで開催される「コカ・コーラ600」にも出場予定で、再び“ザ・ダブル”に挑戦する。

午後のレーストリムセッションでは、アレックス・パロウ（チップ・ガナッシ）が223.993mphを記録してトップに立ち、フェリックス・ローゼンクヴィスト（メイヤー・シャンク）とカイル・カークウッド（アンドレッティ）がこれに続いた。

テスト初日はトップ10中9台をホンダエンジン勢が占める結果となったが、最終日となる2日目はシボレー勢が奮起。午前と午後の両セッションで、それぞれトップ5に2台ずつを送り込んだ。2日間にわたるテストでは、計34人のドライバーが合計5,804周（約23,360km）を走破した。

インディ500の公式プラクティスは5月13日からスタートする。今年のインディ500には計34台がエントリーしており、予選では1台が脱落する見通しだ。5月25日の決勝に向けて、各陣営はプラクティスを通じて最終調整を進めていくことになる。

インディ500テスト2日目 午前結果

インディ500テスト2日目 午後結果