
メルセデス、5ヶ月ぶり大改良もトップ6圏外。“真の懸念”はタイムシートの外、高まるレッドブルへの警戒感
前戦アゼルバイジャンGPで週末を通じて圧倒的な速さを見せたメルセデスは、セパンではトップ3チームの一角にすら入れず、初日を終えた。5月の第5戦カナダGP以来となる大規模なアップグレードを投入したにもかかわらず、トップ6圏外にとどまった。
フロアを全面的に刷新し、これに伴う気流の変化に合わせてリアサスペンションとリアのダクトウイングも変更した。さらに2台のW17には、長年のスポンサーであるペトロナスの地元マレーシアでの開催を記念し、スペシャルリバリーが施された。
パドックでメルセデスへの警戒感が強まるなか、ジョージ・ラッセルは7番手、アンドレア・キミ・アントネッリは8番手に終わった。
トップ6圏外も、空力改良は「想定どおりに機能」
ただし、この結果は2人そろってソフトタイヤでのラップをまとめられなかったことによるところが大きく、アップグレード自体は期待通りに機能しているという。
副チーム代表のブラッドリー・ロードは、「すべて想定どおりに機能しているようだ。ドライバーたちも、高速コーナーで違いを感じると話している」と説明した。
「2人とも、まだラップをうまくまとめ切れていない。少しロックアップしたり、別の場所では膨らんだりしている。明日の予選までに、そうしたところをすべて整えたい」
バクーでの前戦を制したラッセルも、「まだマシンのセットアップを適正な作動領域に入れられていないだけだ」と説明。初日の低迷については「アップグレードとはまったく関係ない」と主張した。
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
ヘルメットとHANSを装着してガレージ内で走行に備えるアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、2026年10月2日(金) F1バーレーンGPフリー走行(セパン・インターナショナル・サーキット)
レッドブルへの警戒と、ロングランへの懸念
セパンでの初日プラクティスでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)がトップを分け合った。とはいえ、フェルスタッペンはルクレールから0.158秒差の4番手にとどまったFP2で、ソフトタイヤによる予選シミュレーションを行っていない。
ラッセルはライバル勢について、「現時点では、1周の速さではフェルスタッペンが最も速そうだし、ロングランではマクラーレンが最も速そうだ」と評価。一方、アントネッリは1周の速さでもロングランでも「一番速そうなのはレッドブル」と分析した。
ロードは、バクーとは対照的に中高速コーナーが多いことから、セパンでの勢力図はハンガリーGPに近いものになっているとの見方を示した。7月のハンガロリンクではマクラーレンとレッドブルが速さを見せ、ランド・ノリスがフェルスタッペンを抑えてトップでチェッカーを受けている。
ラッセルのロングランはさておき、アントネッリのロングランは印象的だった。メルセデス全体としては、初日のタイムシートやラッセルの感触から受ける印象ほど、厳しい状況ではない可能性がある。
ただ、セパンでマシンの速さを引き出すのに苦労していることは明らかだ。
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
ヘッドセットを着用してガレージ内でフリー走行を見守るアンドリュー・ショブリン(メルセデス トラックサイド・エンジニアリング・ディレクター)、2026年10月2日(金) F1バーレーンGP(セパン・インターナショナル・サーキット)
エンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、「表面的なタイムは特に実力をそのまま表しているわけではなく、1周のペースについては比較的簡単に改善できるはずだ」と楽観的な見方を示した。
一方で、「むしろ懸念しているのはロングランの方だ。普段以上にペースが遅れているように見えたし、こちらの方が解決するのは難しそうだ」と認めた。
2026年F1バーレーンGPの初日FP2をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)を0.099秒差で退けた。3番手にはランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
FP3は日本時間10月3日(土)13時30分から、公式予選は同17時から1時間に渡ってマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催される。セッションの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。