
ホンダF1救済のADUO変更案、投票集計後に「中断」の異例展開
アストンマーティン・ホンダの苦戦を受けて検討されていたADUO(追加開発・アップグレード機会)関連のF1規則変更案が、投票の集計完了にもかかわらず、一時中断という異例の展開を迎えたようだ。
イギリスの専門メディア『The Race』によると、F1のパワーユニット諮問委員会(PUAC)において改定案が採決にかけられ、今週初めに投票が締め切られた。
結果はマイアミGPの週末に公表される見込みとなっていたが、複数の情報筋によれば、投票の集計は既に完了しているものの、その後の手続きが「中断」されたという。採決自体が保留された状況のようだ。
ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアはマイアミGPのメディアデー午前の段階で、この件について「FIAの判断を待っているところです。我々はFIAの決定に従うつもりです」と述べていた。
票は集計済み、その後に起きた「異例」
現時点で、中断の正式な理由は明らかになっていない。ただし関係者の一人は、規則内容のさらなる見直しが関係している可能性を示唆している。
PUACでは、フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)及び国際自動車連盟(FIA)が両者で1票、さらに各パワーユニットメーカーがそれぞれ1票を持つ。
PUガバナンス協定が未公表であるため、当編集部は事実性を確認できていないが、規則変更には、F1・FIAに加えて現行PUメーカー5社のうち4社の賛成が必要とされる。
集計を経て採択基準が満たされた場合、保留とする理由はない。そのため、提示された案が採決基準に届かなかったか、一部のメーカーが賛成の条件として内容の一部修正を求めた可能性などが考えられる。
ホンダへの支援策は、ADUOの非累積制限を撤廃する方向で検討されていたとされる。この制限が緩和されれば、ホンダはシーズン中に最大6回のアップグレードを実施できる可能性がある。とりわけ有益と見られるのは、コストキャップにおける追加控除により、さらなるリソースを投入できる点だ。
評価期間見直しも不透明
ADUO制度を巡っては、他にも不確定事項が存在する。中東2連戦の中止に伴い、評価期間の見直しが行われているとされるが、依然として公式発表はない。
簡略化して言うと、レギュレーションでは第6戦、第12戦、第18戦終了後に各メーカーの性能差を評価し、ADUOの適用対象メーカーを決定すると定めている。
当初の予定では、マイアミGP終了後に最初の評価が行われ、該当メーカーは速やかに改良型PUを投入できるはずだった。だがカレンダーから2戦が消滅したことで、最初の評価はモナコGP終了後までずれ込むこととなった。
一方で、予期せぬ2連戦の中止を受け、評価期間の再検討が進められているとされる。候補としては、最初の評価期間の終了時期を5月末のカナダGP後に移す案が取り沙汰されている。