フェルスタッペン復活の決定的要因とは? RB22大型アップグレードの核心と、その裏側で再燃する格差の兆し

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レッドブルがマイアミGPに持ち込んだ大規模なアップグレードは、マシンの空力性能を大きく向上させた。それ以上に重要なのは、マックス・フェルスタッペンが自身のドライビング感覚を取り戻す決定的な転換点になったという事実だ。

ほんの数週間前まで、彼がマイアミの予選でポールポジションを争う光景は想像しがたいものだった。鈴鹿サーキットで開催された前戦日本GPにおいて、フェルスタッペンはQ3進出すら果たせなかった。

これまで中団の争いに完全に呑み込まれていたRB22は、マイアミで驚異的な速さを発揮した。フェルスタッペンの手によって、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)の最速タイムに肉薄するパフォーマンスを見せたのだ。

フェルスタッペンはこの変化を「驚異的な好転」と評価する。遅く、気まぐれで、ドライバーから自信を奪っていたRB22は、依然として扱いにくさを残しつつも、はるかに大きな潜在能力を感じさせる存在へと変貌した。

ガレージからコースへ向かってマシンを走らせるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2026年5月2日(土) F1マイアミGP予選(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ガレージからコースへ向かってマシンを走らせるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2026年5月2日(土) F1マイアミGP予選(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)

限界を拒絶する予測不能な挙動

改良前の仕様が抱えていた欠陥は、ダウンフォース不足という要因だけでは説明できない。フェルスタッペンは「以前は本当に何も機能していなかった。完全に乗せられているだけというような感覚だった」と、当時の深刻な苦境を振り返る。

アンダーステアが発生したと思えば、直後にリアのグリップが失われる。さらに厄介だったのは、セットアップに変更を加えていないにもかかわらず、セッションごとにマシンの反応が変化することだった。

ドライバーが限界を探るためには、マシンの反応に再現性が確保されていなければならない。予期せぬタイミングでグリップが失われる状態では、4度のF1王者をしても限界まで攻め込むステージに立つことはできない。

事態を打破するため、レッドブルは車体の前方から後方にまで及ぶ大規模なアップデートを持ち込んだ。その中には、フェラーリが先行投入した「マカレナウイング」に類似する、独自の解釈を加えた極端なリアウイングも含まれている。

ステアリングが呼び覚ました王者の走り

チームはこの新しいパッケージを、シルバーストンでのフィルミングデーを活用して事前にテストした。この事前の走行が、フェルスタッペンがマイアミで新たなRB22に迅速に順応するための大きな助けとなったとみられる。

マイアミでの最前列確保に最も大きく作用したのは、フロントエンドの鋭敏な反応性が戻ったことだ。フェルスタッペンは、ステアリングを通して積極的にマシンを振り回すようなドライビングのスタイルを好む。

その要求を満たすには、狙った瞬間にフロントが反応し、なおかつリアが破綻しない安定性が必要だ。大幅に改良された新たなRB22は、王者の難解な要求に応える方向へと確実に舵を切った。

「ようやく自分の望むように、ステアリング入力だけで走らせることができるようになった」とフェルスタッペンは語る。彼は自身のドライビングを通して、マシンを自在にコントロールできる感覚を取り戻しつつある。

「まだすべてを理解できているわけじゃないけど、多くのことは分かった。それは、ここでのクルマが、これまでより遥かにまとまって感じられることに表れている」

パルクフェルメで笑みを見せる予選2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2026年5月2日(土) F1マイアミGP(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)Courtesy Of Red Bull Content Pool

パルクフェルメで笑みを見せる予選2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2026年5月2日(土) F1マイアミGP(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)

取り残されるハジャー、再び浮上する格差の兆し

一方で、同じ仕様を走らせたアイザック・ハジャーは、フェルスタッペンほどの速さを引き出せていない。ハジャーは予選9番手にとどまり、チームメイトに対して0.825秒もの大差を抱えた。両者の対照的なこの結果は、極めて示唆的だ。

過去の歴史を振り返ると、レッドブルでは開発を通じてマシンがフェルスタッペンの好みに近づくほど、チームメイトが苦戦する傾向がある。いわゆる「セカンドカー問題」と呼ばれるこのチーム特有の現象だ。

開幕からの3戦では中団に沈んでいたこともあり、この格差が話題に上ることはなかった。だがマイアミでの週末を経て、次戦以降の両者のパフォーマンスはこれまで以上に注目されることになるだろう。

RB22はまだ完成形ではなく、フェルスタッペンも高速域での挙動に不可解な点があると指摘している。だが開幕序盤の抜け出せない悪循環とは異なり、レッドブルが中団から抜け出してトップ争いに戻ったことは確かだ。

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