日本GPで見極めへ。2026年F1規則の即時改定見送り、中国GPで空気一変

  • Published:
  • Googleで優先するソースとして追加する

早ければ第3戦日本GP前にも調整が行われる可能性が取り沙汰されていた2026年のF1レギュレーションだが、フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)、国際自動車連盟(FIA)、そして各チームは、少なくとも第4戦マイアミGPまでは変更を見送る方針を固めたようだ。複数の欧州専門メディアが伝えた。

中国GPで評価に変化、日本GPで見極めへ

開幕戦オーストラリアGP後の段階では、一部から新たな規則への批判が噴出した。特に回生の機会が限られるアルバート・パーク・サーキットで露呈したエネルギーマネジメントの問題は、F1のあり方という観点で一部に不安を残した。

だがスプリントと決勝の双方でメルセデスとフェラーリが激しい首位争いを繰り広げた第2戦中国GPでは、ドライバーやチーム首脳陣からも比較的好意的な反応が多く聞かれた。これが即時改定論が後退した最大の理由とみられている。

背景にはコース特性の違いもある。アルバート・パークとは異なり、上海インターナショナル・サーキットは回生の機会が多く、ドライバーが極端に不自然な走り方を強いられる場面は比較的少なかった。

FIAは、現状を正しく判断するには、異なるサーキットでのデータがさらに必要だとみている。そのため鈴鹿サーキットで開催される次戦日本GPが、具体的な変更の必要性およびその内容を見極めるための重要な判断材料になる見通しだ。

評価は真っ二つ、それでも「拙速な変更は避けるべき」

2026年規則に対するドライバーの評価は依然として割れている。ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は中国GP後に「F1で経験した中でも最高のレースだと思う」と語り、ゴーカートのような接近戦を堪能したと振り返った。

対照的にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は批判的な姿勢をさらに強め、「本当にひどい。もし誰かがこれを気に入っているというなら、その人は本当のレースってものが分かっていない」と切り捨てた。

無論、評価の対立は即時変更の根拠となり得ない。ハースの小松礼雄チーム代表が「拙速な変更は避けるべき」と警鐘を鳴らしているように、チーム首脳陣の間では、まず評価のサンプル数を確保してから本格的に検討すべきだとの声が目立つ。

メルセデスのチーム代表トト・ウォルフも改善の余地を認めつつ、観客の反応は概ね良好だとの認識を示し、興行全体が直ちに危機的な状況にあるわけではないという見立てを示している。

規則変更には「政治的な駆け引き」も

一方でウォルフは、今後「政治的な動き」が出てくる可能性にも触れている。デプロイメントやハーベスティングの調整、最大350kWの電動出力の扱いなどが検討対象として挙がっているが、ルール調整は各メーカーやチームの利害とも密接に絡む。

現状のルールで有利なチームと、変更を求めるチームの間には当然ながら温度差が生じる。特にレース中の電動パワー比率を大きく下げるような案については慎重論が多く、具体的な変更案の着地点はまだ見えていない。

中東2戦中止で生まれた検証期間

即時改定が見送られた理由としては、カレンダーの変化も大きい。

バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止により、日本GP後からマイアミGP再開までの間に4週間近い大きな空白が生まれた。関係者はこの期間を使い、どの要素が本当に問題で、どの部分がサーキット特性に依存する一過性の現象なのかを見極める考えだ。

中国GP後の評価会合は予定通り行われる見通しだが、あくまで継続的な対話の一環として実施される。そして日本GP後には、技術責任者を中心とした会合が開かれ、規則のどの部分をどう見直すべきかが本格的に議論される見込みだ。