4月は“F1空白”、中東情勢直撃でバーレーンとサウジ中止が正式決定。全22戦に縮小へ

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欧州現地時間3月14日、2026年F1第4戦バーレーンGP(4月10〜12日)と第5戦サウジアラビアGP(4月17〜19日)の中止が共同声明によって発表された。不安定な中東情勢を受け、関係者の安全を最優先に考慮した苦渋の決断だ。

F1と国際自動車連盟(FIA)は声明で、両グランプリは「4月に開催されない」と述べた。

背景にあるのは、2月に発生したイスラエルおよびアメリカによるイラン攻撃に端を発した軍事的緊張だ。現在はイランによるホルムズ海峡封鎖の影響で、近隣諸国だけでなく世界各国の物流や安全保障にも深刻な影響が広がっている。

代替開催は見送り、4月は“空白”に

F1側は、日本GPが開催される鈴鹿での2連戦や、ポルティマオ(ポルトガル)、イモラ(イタリア)といった欧州での代替開催も複数検討したとされるが、最終的に「4月中の代替レースは行わない」方針を決めた。

あくまでも「4月の開催中止」であり、また「4月中の代替戦を否定」したものであるため、理論的にはシーズン中盤以降にリスケされる可能性を残したものだが、現時点で2026年シーズンは全22戦で実施される見込みとなった。

FIA会長を務めるモハメド・ベン・スレイエムは、「FIAは常に、コミュニティと関係者の安全と健康を最優先に考えている。慎重な検討の結果、この責任をしっかりと念頭に置き、今回の決定を下した」と述べた。さらに、同地域の平穏と安全、迅速な安定回復を願うとともに、プロモーターらの建設的な協力姿勢に謝意を示した。

F1のステファノ・ドメニカリCEOも「これは難しい決断だったが、中東の現状を考えると現時点では正しい決断だ」と語った。バーレーンとサウジアラビアの主催者もこの判断を全面的に支持している。

第3戦日本GPを終えると、5月1日~3日に開催される第6戦マイアミGPまで1カ月以上も間が空く。サポートレースのFIA-F2選手権、FIA-F3選手権、F1アカデミー、さらにインシーズンテストも含め、この期間に予定されていたイベントはすべて白紙となった。

背景にある契約事情と約1億ドルの損失

今回、パンデミック時のように代替レースを強行しなかった背景には契約上の事情もある。2020年当時は巨額の放映権料を維持するため最低開催数の確保が不可欠だった。

だが全24戦が予定されていた2026年シーズンは、2戦が消滅しても契約上の条件を十分に満たす。そのため無理に代替レースを組み込む必要はなかった。

もっとも経済的打撃が皆無というわけではない。2レースの中止により、F1のステークホルダー全体では約1億ドルの開催権料が失われると推定される。各チームも数百万ドル規模の減収となる見通しだ。

一方で、中東遠征に伴う膨大な輸送費や運営費が削減されるという側面もある。