軍事衝突がF1に波紋…バーレーンテスト急遽中止、開幕戦渡航計画に懸念・中東連戦に不透明感も

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2026年シーズンの開幕戦を1週間後に控えた2月28日(土)、中東情勢の急激な悪化を受け、F1は状況を注視する事態となった。すでに影響は及んでおり、タイヤサプライヤーのピレリはバーレーンで予定していたウエットタイヤの開発テストを急遽、中止した。

米国とイスラエルは2月28日(土)、イランに対する大規模な攻撃を実施した。これを受け、イラン革命防衛隊は報復としてミサイルおよびドローンによる攻撃を開始。軍事的緊張は周辺国にも波及した。

バーレーン国営通信は、米海軍艦隊の関連施設がミサイル攻撃を受けたと発表。カタール国内の報道では、自国を標的としたミサイルをすべて迎撃したと伝えられており、サウジアラビアやアブダビでも複数の爆発音が確認されたという。

タイヤテストが異例の中止に

ピレリは2月28日と3月1日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで予定していた2日間の開発テストを、「安全上の理由」から中止した。散水装置を用いた雨用タイヤの検証が目的で、メルセデスとマクラーレンが参加する予定だった。

ピレリによれば、現地に滞在するすべてのスタッフは安全確保のためホテルで待機しており、現在、イタリアおよび英国への帰国手配が進められている。

空域閉鎖で開幕戦渡航計画に懸念

2026年のF1シーズンは来週、オーストラリアのメルボルンで開幕する。その後は第2戦中国GP、第3戦日本GPが続き、中東で開催される第4戦バーレーンGPと第5戦サウジアラビアGPは4月に予定されている。現時点では1ヶ月あまりの猶予がある。

F1の広報担当者は「次の3戦はオーストラリア、中国、日本であり、中東ではない。これらのレースは数週間先だ」と説明。「我々は常にこのような状況を綿密に監視し、関係当局と緊密に連携している」と述べた。

だが、すでに現実的な課題が浮上している。移動経路の問題だ。大多数のF1チームが本拠を置く英国からオーストラリアに向かう際、関係者の多くはアブダビやカタールを経由する。現在、これらの空域は閉鎖されており、長引けば渡航計画に影響が及ぶ可能性がある。

4月の中東2連戦は開催可能か?

情勢が落ち着かなければ、バーレーン及びサウジアラビアでの両レースの開催が危ぶまれる展開も想定される。だが、現段階で開催中止の危機にあると断じるのは時期尚早と言うべきだろう。時間的な余裕は残されており、支障が生じない可能性もある。

F1が同地域の緊張状態に直面したのは今回が初めてではない。2022年のサウジアラビアGPでは、ジェッダ市街地コース近郊の施設がミサイル攻撃を受けた。それでもドライバーとの長時間の協議を経て、グランプリは実施された。

2025年6月にはドーハ郊外の空軍基地がイランのミサイル攻撃の標的になったと報じられたが、同年11月のカタールGPは予定通り開催された。

まず優先されるべきは地域住民と関係者の安全だ。とはいえ、これまでの経緯を振り返れば、一定のリスクを抱えながらもF1はグランプリの開催に踏み切ってきた歴史がある。今後の情勢がどのように推移するか、引き続き注視する必要がある。