予選8番手を獲得し、インタビューを受けるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)
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フェルスタッペン「理解に苦しむ」追い出し疑惑に関するFIA審議、ハミルトン”沈黙”を経て不問裁定…F1ハンガリー9位確定

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2025年F1第14戦ハンガリーGPの決勝中に発生したルイス・ハミルトン(フェラーリ)とのインシデントがスチュワードの審議対象となったことについて、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、その妥当性を巡って疑問を呈した。

「結局のところ、何も起きちゃいなかった。接触すらしていない。それなのに、レース後に調査が行われるなんて、ちょっと理解に苦しむね」

フェルスタッペンは裁定が下される前、このように振り返った。

ターン4で発生した”非接触”インシデント

問題のインシデントは29周目、11位争いの最中に発生した。ターン3の立ち上がりで新品タイヤのグリップを活かして勢いを得たフェルスタッペンは、続く高速左コーナーのターン4でイン側からハミルトンにオーバーテイクを仕掛けた。その後、ターンインを開始したハミルトンがランオフエリアに膨らみ、フェルスタッペンが前に出た。

ノーズの先端をハミルトンの左リア前方付近まで差し込んではいたものの、いわゆる“飛び込み”と呼ばれるような強引な進入ではなく、接触も発生していなかった。

ハミルトン聴聞出席せず、裁定は不問

この行動に対し、デレク・ワーウィックを含むスチュワードはレース後、両ドライバーを召喚した。だが、ハミルトンは聴聞への出席を放棄し、フェラーリのチーム代表者は聴聞において「ハミルトンはあえてコースに留まる選択をしなかった」と説明した。ハミルトン自身も、レース後のインタビューで「よく覚えていない」と語るにとどまった。

ハミルトンが聴聞に出席しなかったことについて、フェルスタッペンは、「彼が本当に問題視していたなら、当然スチュワードルームに来ていたはずだ」と指摘した。

スチュワードによるとフェルスタッペンは聴聞において、「クルマは完全に自分のコントロール下にあり、必要であればハミルトンに対してスペースを残すこともできたが、ハミルトンがコース外に出たため、コース幅を目一杯使ってコーナーを脱出することを決めた」と説明した。

最終的にスチュワードは、「コース外に追い出したとは認められない」として、フェルスタッペンに処分を科すことはしなかった。これにより、フェルスタッペンの9位とハミルトンの12位というリザルトが確定した。

レッドブル、課題山積の週末

結局のところ、週末全体でクルマの競争力不足に苦しんでいたフェルスタッペンにとって、このインシデントは「些細な出来事」に過ぎなかった。

「残念ながら、今週末は僕らにとって良いものにはならなかった。その原因を突き止める必要がある」とフェルスタッペンは語る。

「レース中は前のクルマに詰まってしまい、グリップにも苦戦した。高速コーナーはまずまずだったけど、低中速コーナーは良くなかった。週末全体を通してクルマは扱いづらく、残念ながら状況を好転させることはできなかった。理解すべきことが山積みだ」

「それでもいつも通り、洗いざらい分析して今週末から学び、次のザントフォールトに向けてパフォーマンス向上を目指していくつもりだ」

「今週末は僕らの思うようにはいかなかったけど、この後はサマーブレイクだし、家族や友人と過ごす時間を楽しんで、しばらくレースのことはあまり考えないようにするつもりだ」

「シーズンはまだ終わっちゃいない。残っているレースはたくさんある。休み明けにはもっと良いパフォーマンスを見せていきたい。より一貫性ある走りを目指して、全力で取り組んでいくつもりだ。残念な結果ではあるけど、前を向いて頑張り続けるよ」


2025年F1第14戦ハンガリーGPでは、3番グリッドからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)が今季5勝目を達成。2位にチームメイトのオスカー・ピアストリ、3位表彰台にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続く結果となった。

F1サーカスはこの後、サマーブレイクを迎える。ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは、8月29日のフリー走行1で幕を開ける。

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