
なぜ? 伏兵アストン急浮上…背景を明かすアロンソ―最下位から1週間、ハンガリー予選で3列目独占
2025年F1第14戦ハンガリーGP予選で、アストンマーチンが思わぬ伏兵として浮上した。フェルナンド・アロンソが5番手、ランス・ストロールが6番手に入り、2台揃ってQ3進出を果たす快挙。ここまで低迷が続いていたチームにとって、予想外の復活劇となった。
先週末のベルギーGPでは2台ともが予選Q1で敗退し、アロンソが19番手、ストロールが最下位という屈辱的な結果に沈んでいただけに、わずか1週間後に揃ってQ3進出を果たした今回の躍進は、驚きをもって受け止められた。
アストン好調の背景にコース特性
だが、キャリア通算413戦を誇るベテランのアロンソは、特に興奮する様子もなく、この結果を冷静に分析してみせた。
「率直に言えば、これはサーキットの特性によるものだと思う」とアロンソは語った。「7日前のスパ以来、クルマに大きな変更は加えていないし、新しいパーツも入っていない。今回のコースレイアウトと特性が、僕らのクルマに合っていただけだ」
AMR25は空力効率が低く、直線スピードに課題を抱える一方、ハンガロリンクは低中速コーナーが主体でストレートも短く、モナコ同様に“トラクションとバランス”が鍵となる。
その意味で、今回の舞台はアストンにとって格好の”狩場”だった。実際、アロンソは今年のモナコGPでも予選7番手と上位に食い込んでいる。
アロンソは、「今回ここでクルマが“スイートスポット”に入った理由を理解できれば、次戦以降にも活かせるはず」と語り、これを一過性の結果としないために、チームとして解明に取り組んでいく意欲をにじませた。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
メディア取材を受けるフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2025年7月24日(木) F1ベルギーGPメディアデー(スパ・フランコルシャン)
決勝レースについては慎重姿勢
予選こそ好成績を収めたものの、アロンソは決勝レースについては慎重な見方を崩さない。ハンガロリンクはオーバーテイクが難しいが、今季のアストンは決勝で順位を落とす展開が続いている。
「正直、日曜のレースは厳しいものになると思う。5位と6位、つまりスタートポジションのままフィニッシュできれば理想的だね。それが第一の目標だ」とアロンソは語る。
「後ろの連中は脅威になるだろう。マックス(フェルスタッペン / 8番手)やルイス(ハミルトン / 12番手)といった速いクルマが後方にいるから、簡単にはいかないよ」
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
フリー走行を前にパドックを歩くフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2025年8月1日F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)
2025年F1ハンガリーGP予選では、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が衝撃的な今季初ポールポジションを獲得。週末を通して他を圧倒していたマクラーレン勢は、オスカー・ピアストリが2番手、ランド・ノリスが3番手に甘んじた。
決勝レースは日本時間8月3日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。