マックス超えの角田裕毅、前進に手応え…一方でレッドブルとして「見えない根本的制約」に直面

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2025年F1第14戦ハンガリーGPの初日を9番手で締め括った角田裕毅(レッドブル)は、フリー走行2回目(FP2)に向けて改善を果たせたと語り、一定の手応えを口にした。一方で、「根本的な制約」をまだ掴みきれていないとし、レッドブルがチーム全体として苦戦していることを認めた。

セッション中、角田は無線を通して「バランスがめちゃくちゃだ」と不満を訴えていたが、走行後の本人によれば、問題の本質はそこにはないという。

「正直に言うと、バランスそのものが大きな問題だとは思っていません。実際に僕らが苦しんでいるのは、通常であれば感じられるはずの“グリップ”の部分なんです」

オープニングセッションでは、ミディアムタイヤでの走行中に「4輪すべてが滑っている」と訴え、ソフトタイヤでもフェルスタッペンから0.453秒遅れの17番手に沈んだ。だが、FP2に向けて改善を果たし、ついにレッドブル移籍後初めてフェルスタッペンを上回った。

角田は、「チーム全体として見ると、今も全体的に苦戦していると思います」としながらも、「少なくとも僕らの方(自分たちのガレージ)では、FP1から少し改善が見られました。幾らか前進できたのは前向きな材料ですね」と語り、進展を強調した。

フリー走行のタイムシート自体に大きな意味はない。だが、RB21への適応に苦しんできた角田が、前戦ベルギーGPの予選前に投入された新型フロアによって調子を上げ、今回のフリー走行でフェルスタッペンを上回ったという事実は、マシンとの相性やセットアップの方向性がようやく噛み合い始めたことを示す兆候と見なせるという点で興味深い。

ピットレーンを走行する角田裕毅の22号車レッドブルRB21、2025年8月1日(金) F1ハンガリーGPフリー走行(ハンガロリンク)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ピットレーンを走行する角田裕毅の22号車レッドブルRB21、2025年8月1日(金) F1ハンガリーGPフリー走行(ハンガロリンク)

一方、フェルスタッペンはFP2で「氷の上を走ってるみたいだ」「何が起きてるのかわからない。運転できない。バランスが全く取れない」と無線で苛立ちを見せ、最終的に14番手に終わった。4度のF1ワールドチャンピオンにとっても、厳しい一日となった。

角田はチームとして抱えている課題について次のように語った。

「簡単な問題ではないので、どうなるかは分かりません。FP2に向けて、かなりの部分を変更していますし。一方でマックス側としても僕の側としても、ポジティブな部分はあると思うので、お互いのデータを見比べて、明日の予選に向けて、僕らが見逃している“根本的な制約”を見つけなければと思っています」


2025年F1ハンガリーGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。チームメイトのオスカー・ピアストリを0.291秒差で退けた。3番手にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。

FP3は日本時間8月2日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってハンガロリンクで開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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