
ハミルトン、2日連続Q1敗退に「許されない」飛び出す厳しい自己評価―決勝を前に早くも”忘れ去りたい週末宣言”
2025年F1第13戦ベルギーGPの予選で、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)はトラックリミット違反によるタイム抹消の影響で16番手に沈み、前日のスプリント予選18番手に続き、2日連続でQ1敗退という結果に終わった。7度のF1ワールドチャンピオンは、過去に例を見ない苦しい週末を過ごしている。
金曜のスプリント予選では、最終アタック中にスピンを喫し18番手。ハミルトン曰く、自身のSF-25に初めて投入された「新しいコンポーネント」の影響で、リアタイヤがロックアップしスピンを喫したという。
土曜のスプリントレースでは15位まで順位を上げたが、本予選では再び足元をすくわれた。ラディオンの頂上でコース外に飛び出したことで、自己ベストの7番手タイムが抹消されたのだ。一方で僚友のシャルル・ルクレールは3番グリッドを持ち帰った。
Lewis Hamilton exited qualifying in Q1 after exceeding track limits 😖
The Ferrari driver’s loss was Gabriel Bortoleto’s gain… #F1 #BelgianGP pic.twitter.com/DUNEfKZtVD
— Formula 1 (@F1) July 26, 2025
予選後、ハミルトンは、「自分のミスだ。またやってしまった。とにかく反省しなきゃならないことだし、チームに謝りたい。2回連続でQ1敗退するなんて許されることじゃない。本当にひどいパフォーマンスだった」と厳しい自己評価を下した。
フェラーリは今週末、SF-25に待望の新型リアサスペンションを導入した。スプリントフォーマットの採用により、走行機会が限られるなかでの導入となったため、最適化の難しさやマシンバランスへの影響が懸念されていた。だが、ハミルトンはマシン自体に大きな問題はなかったと説明する。
「クルマの感触はそこまで悪くなかった。Q1を突破するのに2セット目の新品タイヤを投入しなきゃならなかったのは厳しかったけど」
フェラーリ、2026年型開発へ本格シフト
ハミルトンはまた、2026年に実施される大規模なレギュレーション改定を見据え、今後はファクトリーのリソースが次世代マシンの開発に本格的に振り向けられる見通しであることを明かした。
「今週末はアップグレードがあったけど、今季はおそらくこれが最後だろう。今後は来年のクルマに焦点を当てていくことになると思う」と語り、残りのシーズンにおける車体改良は期待できないと認めた。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
スパ・フランコルシャンを周回するルイス・ハミルトンのフェラーリSF-25、2025年7月26日F1ベルギーGP)
異例の16番グリッド、逆転の鍵は“雨”と経験
日曜の決勝はウェットレースとなる可能性が高まっており、ハミルトンにとっては逆転へのわずかな希望となるかもしれない。だが、本人は浮ついた期待を抱くことなく、冷静な姿勢を崩していない。
「クルマに関して、できることは多くない。今の順位からどこまで上がれるか、やってみるしかない」とハミルトンは述べた。
「ここでは何が起きてもおかしくけど、正直、明日については全く分からない。今の位置だと本当に厳しい一日になるだろうし、何にしても忘れたい週末になるのは間違いないだろうね」
過去8大会すべてで4番手以内からスタートしてきたベルギーで、16番手という位置から挑むのはキャリアでも異例の事態。仮に雨が降れば、レース展開が大きく動く可能性はあるものの、それをチャンスに変えるには、卓越した経験だけでなく、鋭いレース感覚と運、そしてチームとしての的確な戦略判断が不可欠だ。
2025年F1ベルギーGP予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にチームメイトのオスカー・ピアストリが、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間7月27日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周7004mのスパ・フランコルシャンを44周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。