クソッ…何が起こった!? アルピーヌの失態で「自発的ドライブスルー」を強いられたオコン
タイヤ交換に関わるアルピーヌの失態により、信じがたい「自発的ドライブスルー」を強いられた結果、エステバン・オコンは2024年のF1ラスベガスGPでポイント獲得のチャンスを失った。
オコンは10周目、レースエンジニアのジョシュ・ペケットから、前方のニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がピットに入らない場合、この周の終わりにピットインせよとの指示を受けた。
これに従いオコンはピットレーンに向かったが、1名のクルーを除いてアルピーヌのピットボックスに人影はなく、ボードも掲げられていなかっために停まる場所を見失い、そのまま「ドライブスルー」してコースに戻った。
「クソッ…何が起こった!? 僕がボードを見落としたのか? 冗談じゃない…」
アルピーヌがタイヤ交換の準備を怠ったがために、オコンは翌周に再びピットレーンに入らなければならなくなった。ロスタイムは10秒強と推定される。チーム代表を務めるオリバー・オークスは「ミス」があったと認めた。
オコンはレース後、「残念ながら、余計にピットストップしなきゃならなかった。ドライブスルー(ペナルティ)を受けたような感じだ」と語り、「何が起きたのか、チーム全体でしっかり検証する必要がある」と付け加えた。
オコンはレース序盤に一貫して11番手を走行し、最初のピットストップ・ウインドウが開いて他車がピットインを消化すると、最終的に入賞を果たすヒュルケンベルグやセルジオ・ペレス(レッドブル)の後方6番手に浮上した。
しかしながら、ピットミスにより第2スティントでは最後尾に転落。1ストップで走り切る戦略を試みたものの、終盤にペースが落ち込んだため再びピットインし、1周遅れの17位と、トップ10フィニッシュを逃すこととなった。
「(ピットミスの後は)基本的に後手に回ってしまった。1ストップ戦略を試みたけど、残念ながら、ちょっと無理があり過ぎた。それで終盤にピットインしなきゃならなくなった」とオコンは振り返る。
「レース序盤は全てを正しく進めることができていたと思う。トップ10入りを狙える状況だっただけに残念だ。次のレースでは上手くチャンスを活かせるようにしたい」
3番グリッドに着いたチームメイトのピエール・ガスリーは、パワーユニットのトラブルに見舞われリタイアした。ベガスでの散々なナイトレースを経てアルピーヌは、シーズン2戦を残してコンストラクターズ選手権6位の座をハースに奪われた。
なお、インタビューに応じたオコンが何よりも先に口にしたのは、件のピットミスへの不満ではなく、4度目のタイトルを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)への称賛だった。
「まず最初、マックスにおめでとうと言いたい。思うに今年の彼には最速のクルマがなかった。それでも彼は桁外れのパフォーマンスを見せた。彼は本当に今年のタイトルにふさわしい。最強だったし、見ていて気持ちが良かった」とオコンは語った。