
スクーデリア・フェラーリ
チームデータ
| チーム名 | スクーデリア・フェラーリ |
|---|---|
| 国籍 | イタリア |
| 本拠地 | マラネロ |
| 参戦初年度 | 1950年 |
| WEBサイト | formula1.ferrari.com |
| SNS | x facebook instagram |
スクーデリア・フェラーリは、イタリア・マラネロを本拠地とするF1世界選手権最古参かつ唯一の全戦参戦チームであり、1950年のF1世界選手権創設初年度から現在に至るまで参戦を続けている。F1史そのものを体現する存在であり、競技成績、歴史、ブランド価値のいずれにおいても、他とは別格のワークスチームである。
1999年から2004年にかけて、エースドライバーのミハエル・シューマッハ、チーム代表ジャン・トッド、テクニカルディレクターのロス・ブラウン、チーフデザイナーのロリー・バーン、そしてエンジン開発責任者パオロ・マルティネッリを中核とし、コンストラクターズ選手権6連覇、ドライバーズ選手権5連覇を達成し、F1史屈指の黄金期を築いた。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
2003年のF1日本GPで優勝したフェラーリのルーベンス・バリチェロ、テクニカル・ディレクターのロス・ブラウン、チーム代表ジャン・トッド、ミハエル・シューマッハ(鈴鹿サーキット)
一方で以降は絶対的支配からは一歩退き、近年は「常に優勝争いに加わる準トップチーム」という立ち位置を保っている。2020年代に入ってからは組織改革と技術体制の見直しを進め、タイトル争いへの本格復帰を中長期的な目標として掲げている。
技術的な最大の特徴は、シャシーとパワーユニットを完全内製する数少ないワークスチームである点にある。空力、車体設計、エンジン開発を一体的に最適化できる体制はフェラーリの伝統的強みだ。なお、「スクーデリア」とはイタリア語で「チーム」を意味する。
主な歴史
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
エンツォ・フェラーリの写真とフェラーリのロゴ
スクーデリア・フェラーリは1929年、エンツォ・フェラーリによって創設された。当初はレーシングカーを製造するコンストラクターではなく、アルファロメオのレース活動を支援するプライベートチームだった。その後、第二次世界大戦を経て1947年に自社製レーシングカーの製作を開始し、独立した自動車メーカー兼レーシングチームへと舵を切った。
1950年にF1世界選手権が発足すると同時に参戦を開始し、以降一度も撤退することなくF1に参戦し続けている。この継続参戦はF1史上唯一であり、フェラーリが「F1そのもの」と称される所以でもある。母体企業は一貫してフェラーリ社であり、株主構成や経営体制に変化はあったものの、チームとしての独立性とワークス体制は維持されてきた。
フェラーリはその長い歴史の中で、アルベルト・アスカリ、ニキ・ラウダ、ミハエル・シューマッハ、キミ・ライコネンなどを含む、通算9名のF1ワールドチャンピオンを輩出。時代を超えてトップドライバーを惹きつけ、成功へと導いてきた。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
フェラーリ312B3-74をドライブするニキ・ラウダ、1974年FIA-F1世界選手権
歴史的な転換点としては、1970年代後半から1980年代にかけての低迷期、1990年代の再建期、そしてジャン・トッド体制下で迎えた1999年から2004年にかけての黄金期が挙げられる。近年では、2020年代初頭の不振を受けてマネジメントと技術組織の刷新が進められ、再び再建フェーズに入っている。
主な戦績・実績(2025年終了時点)
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
表彰台の上で空を見つめるフェラーリのキミ・ライコネン、2018年のF1アメリカGP決勝レースにて
スクーデリア・フェラーリは、F1史上最多の参戦数・勝利数・主要記録を保持するコンストラクターだ。2025年シーズン終了時点における累積戦績は以下の通りで、いずれも他チームを大きく上回る水準にある。
- コンストラクターズ制覇:16回(1961/1964/1975~1977/1979/1982/1983/1999~2004/2007/2008)
- ドライバーズ制覇:15回(1952/1953/1956/1958/1961/1964/1975/1977/1979/2000~2004/2007)
- 参戦:1123戦
- 勝利数:249回
- ポールポジション:254回
- 表彰台:639回
- 最前列:566回
- 最速ラップ:266回
- リードラップ:10398周
- ポイント:10675点
組織体制・運営構造
スクーデリア・フェラーリは、明確な役割分担に基づく組織体制で運営されている。チーム代表を務めるのはフレデリック・バスールで、競技運営、戦略、人事を含むチーム全体の統括を担っている。
技術部門はシャシー系とパワーユニット系に大別され、シャシー開発はロイック・セラが技術責任者として統括する一方、パワーユニット部門はエンリコ・グアルティエッリが責任者を務めている。
フェラーリのF1開発部門は伝統的に「ゲスティオーネ・スポルティーバ(Gestione Sportiva)」と呼ばれており、市販車工場の脇に隣接して配置されている。
近年では、2021年からF1に導入された予算上限ルール(コストキャップ)への対応として、モータースポーツ活動全体の再編が進められた。その一環として2023年からFIA世界耐久選手権(WEC)の最高峰クラスであるル・マン・ハイパーカー(LMH)規定へのワークス参戦プログラムを開始した。
フェラーリがファクトリーチームとしてル・マンの最高峰クラスに参戦するのは、「312PB」で戦った1973年以来およそ50年ぶりであり、それまでの長期間、スポーツカー活動は外部サプライヤーや関連会社に委ねられてきた。
現在のフェラーリは、F1とWECという二つの最高峰カテゴリーを軸に、ワークスブランドとしての競争力と技術的存在感を再構築しようとしている。