F1オーストリア決勝:2台違反でグリッド変動、不穏な天気予報と最速タイヤ戦略
24周のスプリントでは移り変わる路面状況と終盤でのDRS許可が白熱のバトルを演出した。1周4318mのレッドブル・リンクを71周する事でチャンピオンシップを争う決勝レースでは、どのような戦いが展開されるのだろうか?
スターティング・グリッド
予選19番手のケビン・マグヌッセン(ハース)と予選20番手のニック・デ・フリース(アルファタウリ)はパルクフェルメ規定違反に伴いピットレーンからスタートする。
ポールポジションはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。最前列2番グリッドにはアップグレード版フェラーリを駆るシャルル・ルクレールが並ぶ。
上位争いの状況はスプリントとは異なる。セルジオ・ペレス(レッドブル)が後方15番手と沈んだため、スクーデリアはルクレールとこれに続く3番グリッドのカルロス・サインツという2台でフェルスタッペン包囲網を敷く。
角田裕毅(アルファタウリ)は16番グリッドに着く。レッドブル・リンクでのAT04は全体的にペース不足傾向にあるため厳しいレースが予想されるが、そんな逆境にあってやってくれるのが今年の角田裕毅である事も確かだ。
以下は暫定のスターティンググリッド。決勝直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 1(-) |
2 | C.ルクレール | フェラーリ | 2(-) |
3 | C.サインツ | フェラーリ | 3(-) |
4 | L.ノリス | マクラーレン | 4(-) |
5 | L.ハミルトン | メルセデス | 5(-) |
6 | L.ストロール | アストンマーチン | 6(-) |
7 | F.アロンソ | アストンマーチン | 7(-) |
8 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 8(-) |
9 | P.ガスリー | アルピーヌ | 9(-) |
10 | A.アルボン | ウィリアムズ | 10(-) |
11 | G.ラッセル | メルセデス | 11(-) |
12 | E.オコン | アルピーヌ | 12(-) |
13 | O.ピアストリ | マクラーレン | 13(-) |
14 | V.ボッタス | アルファロメオ | 14(-) |
15 | S.ペレス | レッドブル | 15(-) |
16 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 16(-) |
17 | 周冠宇 | アルファロメオ | 17(-) |
18 | L.サージャント | ウィリアムズ | 18(-) |
PL | K.マグヌッセン | ハース | 19 |
PL | N.デ・フリース | アルファタウリ | 20 |
想定されるタイヤ戦略
フリー走行が1回のみで、更にはスプリントがウェットコンディションであったために、スリックタイヤでのロングランデータは圧倒的に不足している。
それだけにシミュレーションの精度はあまり期待できないが、基本的には昨年同様の2ストッパーが主流と予想される。
鍵を握るのはミディアムとハードだ。ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「ソフトはあまり使われないだろう」と予想する。
理論上、最も速いストラテジーはミディアムからハードに履き替え、最終スティントでミディアムに戻す2ストップ戦略で、ハードが2セット余っていれば、最後にハードに履くのもありだという。何れにせよ最初のピットストップウィンドウは15周目前後にオープンとなる予想だ。
1ストッパーを採るとすればミディアムとハードが唯一の組み合わせとなるはずだが、イゾラは「昨年のレース展開を見る限り、2ストッパーより魅力的な選択肢ではない」と指摘する。
気になる天気は…
理論上のタイヤストラテジーは以上の通りだが、当然これはドライコンディションの場合に限られ、雨が降れば何の役にも立たない。
シュートアウトとスプリントが行われた2日目の大気は不安定だった。日曜の現地シュピールベルクの天気はどうなのか?
日差しが出る予報ではあるものの、午後は大気が不安定で依然として雷雨が見込まれており、急な天候変化がレースを混乱に陥れる可能性がありそうだ。
決勝スタート時刻の現地15時の降水確率は50%と高い。ピークに達するのはその1時間後で、パドックで期待されているほど、ドライとはならないかもしれない。