F1エミリア・ロマーニャGP、豪雨被害を受け第6戦としての開催中止を決定…リスケは絶望的
豪雨による周辺地域への被害を受け、今週末の5月19~21日に予定されていたF1第6戦エミリア・ロマーニャGPの中止が決定した。カレンダーが逼迫している事からリスケは困難で、2023年シーズンは全22戦となる可能性が高い。
F1は17日(水)、統括団体の国際自動車連盟(FIA)、関係閣僚を含む当局幹部、イタリア自動車クラブ(ACI)、州長を含むエミリア・ロマーニャ州関係者ならびに現地プロモーターとの協議を経て、今週末のグランプリの開催を見合わせる事を決定した。
その理由についてF1は、イベントの安全性が確保できないこと、そして地元自治体や救急隊に対してこれ以上の負担をかけることは適切ではないためだと説明した。
F1のステファノ・ドメニカリCEOは「私が育ったイモラとエミリア・ロマーニャの現状を目にするのは悲劇」であり、「今回の決定は地元コミュニティおよびF1ファミリー全員にとって正しいものである」と強調した。
またFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は「関係者全員の安全と復旧作業が現時点での最優先事項だ」と付け加えた。
エミリア・ロマーニャ州を中心にイタリアは今月に入って度々豪雨に見舞われており、上旬の豪雨では洪水が発生して2名が死亡。16日(火)にはラモーネ川の氾濫などにより、900名以上が自宅からの避難を余儀なくされ、付近のサンテルノ川の水位上昇を受けて夕刻には、イモラ・サーキットにいた全ての人に退去が指示された。
17日(水)になってもサーキットへの立ち入りが禁止される状況が続き、今も地元住民の多くが避難している。
F1は今回の決定について延期の可能性を除外していないものの、カレンダーはサマーブレイク期間と11月26日のアブダビでの最終戦以降を除いて過密しており、リスケは絶望的とも言える。
サマーブレイクはレギュレーションで定められた強制休暇であり、また、アブダビでのグランプリは契約によりシーズン最終戦としての立場が約束されている。仮にアブダビでのレースを12月に延期としても、年後半のイモラは気温が低すぎてF1マシンが走行するのは困難だろう。