有望株ズラリ…メルセデスF1の2023年育成ドライバー、12歳の女子レーサーから新加入ケンゾーまで計7名
メルセデスAMGペトロナスF1チームは2月21日(火)、2023年のジュニアプログラムのドライバー・ラインアップを発表した。新たに契約を結んだケンゾー・クレギーを含む計7名の若手が最高峰デビューを目指す。
- アンドレア・キミ・アントネッリ(Andrea Kimi Antonelli)
- ポール・アロン(Paul Aron)
- ケンゾー・クレギー(Kenzo Craigie)
- ユアンプー・クイ(Yuanpu Cui)
- ルーナ・フルーシャ(Luna Fluxá)
- アレックス・パウエル(Alex Powell)
- フレデリック・ヴェスティ(Frederik Vesti)
ドライバー開発アドバイザーを務めるグウェン・ラグルーは各々ドライバーについて以下のように説明した。
「昨年のアブダビ・ルーキーテストで初めてF1マシンを体験したフレデリック・ベスティは今年、FIA-F2選手権のタイトルを争ってくれるだろう」
「ポール・アロンはアルピーヌ・ヨーロッパ選手権(FRECA)で成功を収めた後、FIA-F3選手権にステップアップする。フロントをかけて争う準備ができていると思う」
「アンドレア・キミ・アントネッリはF4でのダブルタイトル獲得を経て、2023年はフォーミュラ・リージョナル中東選手権を制覇するという素晴らしいスタートを切った。この後はFRECAに挑む予定だ」
「アレックス・パウエルはユアンプー・クイ、ルーナ・フルーシャと共に国際的なカートシーンで活躍している。誰もが強いシーズンを過ごせるだけの経験を備えている」
「2023年には才能豊かなケンゾー・クレギーをプログラムに迎えた。最年少のジュニアとして今季はイギリスのカート選手権に挑戦する」
アンドレア・キミ・アントネッリ
アンドレア・キミ・アントネッリ(16歳 / 2006年8月25日生まれ)はイタリア・ボローニャで生を受け、ジュニアカートで数々のタイトルを獲得し、2019年4月にメルセデスのジュニアプログラムに加わった。
WSKユーロシリーズとスーパーマスターシリーズのタイトルを獲得を経て、2020年と2021年の2年連続でCIK-FIAヨーロッパ・カート選手権を制した。
2021年のイタリアF4選手権第5戦でシングルシーターデビューを果たすと2022年にF4にフル参戦し、ADACフォーミュラ4選手権とイタリアF4選手権でいきなりチャンピオンに輝いた。
更に2023年にはフォーミュラ・リージョナル中東選手権を制覇。プレマ・レーシングからフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権にも参戦する。
ポール・アロン
ポール・アロン (19歳 / 2004年2月4日)はエストニアのタリンで生まれ、7歳でカートを始めた。エストニアとヨーロッパで数々のタイトルを獲得し、WSKチャンピオンズカップやCIK-FIAヨーロッパ選手権ではOKジュニアクラスでチャンピオンに輝いた。
2019年にADACとイタリアF4でシングルシーターデビューを果たすと、同年にメルセデスのジュニアプログラムに加入。翌2020年にはフォーミュラ・ルノー・ユーロカップにステップアップした。
2021年と2022年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権でランキング3位を獲得。今季はプレマ・レーシングからFIA-F3選手権に参戦する。
ケンゾー・クレギー
ケンゾー・クレギーは2010年にイギリスのエプソンで生まれた。
2021年に英国カート選手権でランキング9位を獲得すると、2022年にはカデット・クラスを席巻。アルティメット・カート選手権シリーズ、ブリティッシュ・カートマスターズ(GPプレート)、ブリティッシュ・カート選手権(Oプレート)でチャンピオンを獲得し、ブリティッシュ・カート選手権ではランキング2位に輝いた。
2023年はジュニアクラスにステップアップし、イギリスとインターナショナル・ロータックス、イアメに参戦する予定だ。
ユアンプー・クイ
ユアンプー・クイ(15歳 / 2008年2月18日生まれ)は中国の西安で生まれた。父親もレーシングドライバーで、2014年に初めてプロとして競技に参加し、国内外で好成績を収め続けている。
メルセデス育成プログラムに加わったのは2021年、13歳の時だった。昨年に引き続き、2023年もOKクラスからカートに参戦する。
ルーナ・フルーシャ
ルーナ・フルーシャ(12歳 / 2010年8月9日生まれ)スペインのマヨルカ島で生まれ、2022年にジュニアプログラムに加わった。
2017年にスペイン自動車連盟がモータースポーツへの女性参加推進のために導入したシリーズ「programa mujer y motor」でキャリアをスタートさせると、2021年にはX30ミニでIAMEユーロシリーズを勝ち取った。今季も昨年に続きOKジュニアクラスを闘う。
アレックス・パウエル
米国フロリダ州マイアミ生まれのジャマイカ人、アレックス・パウエル(15歳 / 2007年9月18日生まれ)は2015年にカートデビューを果たした。
カリブ海やアメリカなどで競技に打ち込み、2018年にヨーロッパのカートシーンにステップアップ。様々なタイトルや勝利を手にした後、2019年にジュニアプログラムに加わった。
2020年にOKジュニアとジュニアROKにステップアップすると2022年にはOKフルタイムに昇格。FIAカート・ヨーロッパ選手権でランキング2位を獲得した。今季もOKカテゴリーに参戦する。
フレデリック・ヴェスティ
フレデリック・ヴェスティ(23歳 / 2002年1月13日生まれ)はデンマークのヴァイレで生まれた。
2013年と2014年にカデットジュニアとKFJクラスでデンマーク・カート選手権を連覇すると、2016年にフォーミュラ・フォード・デンマークでシングルシーターに昇格した。
翌年にデンマークF4とADAC F4へステップアップすると、前者でランキング2位を獲得。2019年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権で13勝を挙げてタイトルを獲得した。
2020年にFIA-F3選手権に参戦すると2年連続でランキング4位を飾り、2021年にメルセデスのジュニアチームに加わった。
昨年はARTグランプリからFIA-F2選手権に参戦。ルーキーイヤーながらも優勝1回、ポールポジション1回、さらに4回の表彰台を獲得してランキング9位につけた。今季はプレマ・レーシングからシーズンを闘う。