レッドブルF1、米フォードとの2026年エンジン提携および新車「RB19」を発表
ダブルタイトル2連覇を目指すオラクル・レッドブル・レーシング(Oracle Red Bull Racing)が2023年型F1マシン「RB19」のカラーリング、そして2026年以降のフォードとのエンジン契約を発表した。
レッドブル・フォード誕生、技術供与で開発支援
ポルシェおよびホンダとの交渉を経てレッドブル・パワートレインズ(RBPT)は、次世代パワーユニット(PU)が導入される2026年からのパートナーとしてフォードを選んだ。この契約は少なくとも2030年まで続く。
F1は2026年シーズンより、350kWの電気モーターと100%持続可能な燃料の導入を含む新たなエンジンレギュレーションを導入する。
既にICE(内燃エンジン)の開発を順調に進めているRBPTに対してフォードは2023年より次世代PU開発において、バッテリーセルや電気モーター技術、パワーユニット制御ソフトウェア、分析などのノウハウ・専門知識を供与していく。
EV革命をリードすべくフォードは500億ドルを投資。F-150ライトニングやマスタング・マッハEの成功により、米国第2位のEV自動車メーカーとして市場を牽引している。
RBPTは2026年より「レッドブル・フォード」としてレッドブル・レーシング及びスクーデリア・アルファタウリにPU一式を供給する。ホンダとの提携は2025年末を以て終了する見通しだ。
フォードとの提携についてチーム代表兼CEOを務めるクリスチャン・ホーナーは「独立系エンジンメーカーの我々としては、フォードのようなOEMの経験から恩恵を受けることで競争相手に対して有利に立つことができる」と語った。
「フォードは何世代にも渡るモータースポーツの歴史に彩られたメーカーだ。ジム・クラークからアイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハまで、その系譜が彼らの歴史を物語っている」
カラースキーム踏襲の「RB19」
レッドブルは2023年シーズンのFIA-F1世界選手権に向けて2月3日(金)、米国ニューヨークで「シーズンローンチ」と銘打った体制発表イベントを開催。RB19のリバリー、そして米ミシガン州ディアボーン本拠の自動車メーカーとの提携を発表した。
2世代目のレッドブル謹製グランドエフェクトカーはネイビーを基調としたボディに黄色と赤色を組み合わせる従来のカラースキームを踏襲。エンジンカバーには「ホンダ」のロゴが掲載される。
イベントにはマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのレギュラードライバー陣に加え、リザーブドライバーのダニエル・リカルド、チーム代表のホーナーらが参加した。
この日、公開されたのはカラーリング披露のためのモデルカーで、実車そのものはシーズン開幕に先立ちバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われる2月末のプレシーズンテストを待つ必要があるが、2つの世界選手権を制した前季型「RB18」とは一変。空力面が刷新されるとも伝えられている。
何しろ噂では、RB19のエアロダイナミクスの9割は先代と異なるものになるとの事で、ピエール・ワシェとエイドリアン・ニューウェイの指揮の下、昨年のデータ分析を元に技術者達が大幅なゲインを見つけ出したとも囁かれる。