ブリスター（英：Blistering）とは、タイヤ内部の温度が過度に上昇することでゴムが内部から気化・膨張し、高速回転による遠心力によってトレッド面に膨れや気泡が生じる現象を指す。

ブリスターが発生したタイヤは著しく性能が低下し、グリップ力が失われるため、ラップタイムにも大きな悪影響を及ぼす。大きいものでは5センチほどに達することもあるとされる（浜島裕英氏談）。

この現象は主にタイヤのオーバーヒートが原因で、路面温度の高いレース環境や、強い減速を伴うビッグブレーキングの多いサーキットで特に発生しやすい傾向がある。

また、ダウンフォース不足によるグリップ低下も遠因となる。タイヤが路面を適切に捉えられずに空転が起こることで、さらなる発熱を招き、ブリスターの発生を加速させる。

類義語にグレイニングがあるが、両者は発生メカニズムやタイヤへのダメージの性質が異なる。