ベッテルとの大激闘「凄まじいドライビング、こんな人とレースができるなんて…」とマグヌッセン
F1アメリカGPの最終ラップでのセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)との大激闘についてケビン・マグヌッセン(ハース)は「凄まじいドライビング」だったと振り返った。
レースの醍醐味である手に汗握る接近戦はそうそう滅多には拝めないが、引退を間近に控えた4度のF1ワールドチャンピオンは日本、そしてアメリカと2戦連続でファンを熱狂させた。
ベッテルは終盤に向けて6位をほぼ手中に収めていたため、本来であればCOTAでのマグヌッセンとのバトルは存在するはずのないものだった。
だが実際にはタイヤ交換の際に16.8秒ものロスを強いられ、その結果としてファイナルラップの最終セクションで至高のサイドバイサイドが繰り広げられる事となった。
ベッテルはまず、ターン16へのアプローチでマグヌッセンに並びかけると、続くターン18でアウト側から強襲。最終2つ前のコーナーでのブレーキングでポジションを奪うと、最終コーナーでイン側に飛び込んできたマグヌッセンを退け7位入賞を飾った。
レースを終えてベッテルと健闘を称え合た後にマグヌッセンは、Speed Cityのポッドキャストとのインタビューの中で「いいバトルだった」と振り返った。
「もちろん、負けたことには腹が立つけど、僕のこれまでのキャリアの中での最高レベルのレースだったと言わざるを得ない」
「彼のドライビングは兎に角、凄まじかった。あんな人とレースができるなんて、まるで特権のように感じる。最高だった。これを教訓にして大切にしていきたいね(笑」
ベッテルの引退レースまでは3戦を残すばかりとなった。マグヌッセンはベッテルが今もF1グリッドに立ち続けるだけの才能を発揮していると考えている。
「レースをしていて感じる事だけど、キャリアの終わりにいるとは思えない」とマグヌッセンは語る。
「最終ラップでポジションを失ってむしゃくしゃしたけど、それでも僕らにとってはこの時期に2ポイントという悪くない点数を稼げたし、チームの仕事ぶりを誇らしく思ってる」
誰もが2ストップ戦略を採る中、マグヌッセンはミディアムでの第2スティントを38周目まで引っ張るという驚きの仕事をやってのけ、ただ1人、1ストップでレースを完走した。
マグヌッセンは「確かに大変だったよ」と認めつつも、チームの準備とガイダンスなしには「なし得なかった」と語った。
そして、チームの母国グランプリでQ1敗退からの逆転入賞を飾った事について「最高に誇らしく思ってる」と付け加えた。
「それに今回はマネーグラムのタイトルスポンサー契約が発表された週末だったし、その意味でも最高だった」
10月23日(日)にサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われた2022年F1第19戦アメリカGPの決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペンが今季13勝目を上げ、レッドブル・レーシングが9年ぶりのコンストラクターズ選手権制覇を成し遂げた。
エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコGPは10月28日のフリー走行1で幕を開ける。