F1、レースディレクターへの直接連絡禁止へ「許されない」マシに対して圧力を掛けたホーナー&ウォルフを批判
F1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンは、タイトル争いをするレッドブル・ホンダとメルセデスの両チーム代表が最終アブダビGPでレースディレクターに対し、執拗に要求を突きつけた事を問題視している。
ヤス・マリーナでの最終決戦は、サウジアラビアを上回る更なる衝撃で幕を下ろした。ニコラス・ラティフィのクラッシュによりセーフティーカー(SC)が導入され、一部の周回遅れのみを隊列後方に向かわせた後、レースはラスト1周で再開された。
両陣営のガレージは緊迫した状況に包まれた。2人のチーム代表はFIAレースディレクターを務めるマイケル・マシに対して、レースが自分達が望む形になるよう圧力を掛け続けた。
メルセデスのトト・ウォルフ代表は、ラティフィの事故処理に対するマシの判断に対して、SCは「レースの妨げになる」としてSCではなくバーチャル・セーフティーカー(VSC)を導入するよう要求した。
ウォルフはまた、ラップをリードしていたルイス・ハミルトンがマックス・フェルスタッペンに交わされると、感情を剥き出しにして「マイケル、これはダメだ、違う、やめさせろ!こんなの全く間違っている!マイケル、あれは何なんだ!」と叫び続けた。
またレッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は、再開直前のセーフティーカー先導中に「なぜ周回遅れの車を排除しないんだ!」「1周で良いんだ。レースを再開させろ」と無線でマシにプレッシャーを掛けた。
Auto Motor und SportによるとF1の競技部門を統括するブラウンは、こうしたやり取りを「サッカーでコーチがレフェリーと交渉するようなものだ」と例えて「チームのボスがレース中にマイケルに対し、あのようなプレッシャーを与えたことは許されない」と批判した。
「トト・ウォルフがセーフティーカー不要と要求する事はできないし、クリスチャン・ホーナーが周回遅れをラップバックさせろと要求する事もできない」
「それは、レースディレクターの裁量に委ねられている事だ。我々は来年、こうしたやり取りをやめさせるつもりだ」