ベッテル、フェラーリとの契約更新の意志なし?「移籍先を模索していた」とレッドブル
セバスチャン・ベッテルは今季末でスクーデリア・フェラーリとの契約が切れるが、更新する意志はないのかもしれない。かつての上司であるレッドブルのヘルムート・マルコによると、ベッテルは2021年に向けて移籍先を模索しており、古巣レッドブルへの復帰の可能性を探っていたという。
来週から新車発表がスタートし、2月下旬からはスペイン・バルセロナでプレシーズンテストが開幕を迎えるが、オフシーズン中のベッテルはこの程、2020年FISアルペンスキーワールドカップが行われているオーストリアのスキーリゾート地キッツビュールを訪れ、ヘルムート・マルコと会談した。
同大会はレッドブルがスポンサーを務めていた関係上、アルファタウリ及びレッドブルのドライバー達がプロモーションのために駆けつけていた。ベッテルはフェラーリ移籍後もしばしばキッツビュールを訪れているため、今回の訪問に深い意味はないとみられていたが、実際には2021年を巡っての腹の探り合いがあったようだ。
ヘルムート・マルコは、独Auto Bildとのインタビューの中でベッテルとの会話の内容の一部を明かし、4度のF1ワールドチャンピオンがイタリアチームに長く留まる意志がない事を示唆した。
「セバスチャンは、2021年に(レッドブルに)戻ってこれるかどうかについての感触を知りたかったようだが、あの場に決断を下せるのものは我々の中にはいなかった」とヘルムート・マルコ。
「彼はワールドチャンピオンを4度獲得した経験を持つドライバーであり、年俸に関しては一定程度求めるものがある。我々はマックス・フェルスタッペンとの間で新たな長期契約を結んだが、それは決して安い買い物ではなかった。そのため、2人目のヘビー級ドライバーを雇う余裕がない」
「残念ながらそういう事だ。セブが我々のところに来るとなれば些細な金額しか用意できない。だがそんな事を彼に頼むことはできない」
推定3,000万ユーロ、日本円にして約36億円とみられるフェラーリとベッテルとの契約は、今年の終わりに失効する。スクーデリアはウィンターブレイク中に、マックス・フェルスタッペンと並び将来の活躍が期待されるシャルル・ルクレールとの契約を5年延長しており、ベッテルは将来の計画を見直す必要に迫れている。
ベッテルがルクレールのボディーガード役を引き受けるつもりがないことは明らかだが、フェラーリ残留の可能性もレッドブル・ホンダへの移籍の可能性もないとすれば、ベッテルはどこに行くのだろうか? ヘルムート・マルコは、メルセデスへの移籍のシナリオもあり得ると主張する。
「ドライビングスタイルに合うマシンが得られれば、セバスチャンは今シーズン、上手くやれるはずだ。私はそう信じている。もし彼が歴然とルクレールを打ち負かせば、フェラーリはセバスチャンの扱いについて考えないではいられなくなるだろうし、メルセデスにとっても興味深い存在となるはずだ」