フレデリック・バスール
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ザウバーF1代表、中団争いに加わるのは再来年以降との見通し「1、2年では難しい」

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アルファロメオ・ザウバーを率いるフレデリック・バスールは、少なくとも来年2019年シーズンまでは中団争いに加わることはないだろうとの見通しを明らかにした。昨年モニシャ・カルテンボーンからトップの座を引き継いだバスールは、財務及び人材の再建に取り組んでいる。

フェラーリと同じくFCA参加のアルファロメオをタイトルスポンサーに迎え入れ、挽回の期待が高まっていた名門ザウバーであったが、開幕前公式テストでは芳しいパフォーマンスを見せる事なく下位に沈んだ。ファステストラップでは全チーム中下から2つ目の9番手、最高速でも下から3つ目の8番手と目立った点はなかった。

「我々の目標はミッドフィールドのペースにカムバックする事だ」とバスール「現時点では程遠いが、昨年はもっと遠かった。最初のステップは中団に追いつくことだ。それが達成できれば、我々はエンジニアやドライバー等全ての人々にとってより魅力あるチームになるだろう」

根っからのチームマネージャーであるバスールは、若くして自身のレーシングチームを立ち上げ、最高峰F1にまでのし上がってきた。2000年代には、メルセデスとタッグを組みF3ユーロ・シリーズに参戦。ルイス・ハミルトンやポール・ディ・レスタ、ロマン・グロージャン等、後にF1で活躍するトップドライバーを育て上げてきた。バスールは、ザウバーの立て直しは中長期的なプロジェクトであることを強調する。

「短期間でチームを築き上げる事はできない。他のチームを見てみてみよう。レッドブルは10年、メルセデスは7年という年月をかけてチャンピオンシップと優勝争いが可能になった。メルセデスの場合はチャンピオンシップを獲得したブラウンGPが前身だった。そこから再び選手権争いに加わるのに5年を要した」

「中団に追いつくためにはある程度時間がかかる。1年や2年でそうなる事はないだろう。フォース・インディアが良い参考になる。彼らは以前もっと後方に位置していたが今や力強さを増し、ここ数シーズンは安定的に4番手・5番手のポジションにつけている。だが、このペースが示せるまでには10年を要したんだ」

大株主ロングボウ・ファイナンスとの軋轢により更迭されたカルテンボーンに代わり再建の手綱を委ねられたバスールは、幾らか改善した財務状況を背景に現在人材の雇用に力を入れている。

「320人だったスタッフの数は、今400人程度に増加している。今シーズン中には恐らく450人規模になるだろう。簡単ではないし、徐々に進めていく必要がある。20人を雇い入れ会社を少し再編成する。それが終わったらまた次の20人を雇用する、といった具合にね」

「あくまでも段階的に実施しなければならない。ルノーは過去18ヶ月に渡ってこのようなプロセスを経てきた。我々も将来に向けて同じ様に進んでいけるはずだ」