角田裕毅「アルファタウリの将来は保証されたけど僕はそうじゃない」

マイクを握る角田裕毅(アルファタウリ)、2023年5月25日F1モナコGPのFIA公式記者会見にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

スクーデリア・アルファタウリのチーム売却話が完全終結した事について問われた角田裕毅は、メカニックやエンジニアにとってはレースに集中できる環境が整ったとして「良いこと」だとする一方、自身の将来が確約されたわけではないと指摘した。

費用対効果に見合わないとして、ディートリッヒ・マテシッツの死去を経てチーム売却が検討されたアルファタウリだが、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはモナコGPを前に応じた独「Formel1.de」とのインタビューの中で、売却計画が完全に破棄された事を明らかにした。

伊ファエンツァの拠点は維持されるものの、空力部門のオフィスがある英国ビスターの人員が強化され、シニアチームのレッドブル・レーシングとのシナジー効果を更に高めていく計画だ。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

イタリア・ファエンツァに位置するスクーデリア・トロロッソ(後のアルファタウリ)のファクトリー外観

モンテカルロ市街地コースのパドックで、チームの存続が確定した事について意見を求められた角田裕毅は「スクーデリア・アルファタウリとしての未来は保証されていますが、僕の未来は保証されていません」と答えた。

「とは言え、アルファタウリにとっては良いことだと思います。エンジニアやメカニックの多くはその点について少し心配していましたので、特に彼らにとっては、これでレースに完全に集中できますし、良い事だと思います」

「それに、レッドブルにとっては正しい決断だと思います。彼らはトロロッソとともに歴史を歩んできたわけで、突然それを止めるというのは少し違うと思います」

「僕にとっても、少なくとも心配事が一つ減ったわけなので良かったと思います」

角田裕毅の契約は2023年シーズン末で満了を迎える。

チーム代表のフランツ・トストは、角田裕毅がこの調子で成長し続ければ、クリスチャン・ホーナーに推薦するまでもなくレッドブルは昇格を議論する事になるだろうとした上で、2024年の契約に値するとの考えを示している。

またドライバー人事権を持つマルコも、F1での3シーズン目を迎えた今年の角田裕毅のパフォーマンスはチームメイトのニック・デ・フリースの遠く及ばないレベルにあると語っており、開幕5戦で一貫して10位を争う現在の競争力を発揮し続ける限り、契約更新の可能性は十二分にあるものと思われるが、F1では何が起こるか分からない。

角田裕毅は今季の契約がない中での週末を強いられた昨シーズンの終盤まで、レースに集中しきれなかった部分があると認めているだけに、早い段階で2024年以降の計画が決まる事を願うばかりだ。

F1モナコGP特集

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