”驚き”の予選結果を決定づけた要因とは? F1オーストラリア上位に並んだ意外な顔ぶれ

予選2番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)、ポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手のルイス・ハミルトン、2023年4月1日F1オーストラリアGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

セルジオ・ペレス(レッドブル)のQ1敗退を除いたとしても、1日(土)に行われたF1第3戦オーストラリア公式予選の結果は意外なものだったと言える。この予想外のリザルトを生み出したのは何だったのか?

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と並ぶ最前列2番グリッドを手にしたジョージ・ラッセル(メルセデス)はこの日の結果を「間違いなくサプライズだね」と評した。初日を終えた時点ではせいぜい3列目と予想していた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

プレスカンファレンスで談笑する予選2番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)とポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年4月1日F1オーストラリアGP

ラッセルが驚いたのは単に順位が良かったからだけではない。フェルスタッペンとのギャップは僅か0.232秒に過ぎなかった。2週間前のサウジアラビアではコンマ6秒差をつけられていた。「W14」にアップグレードはない。

この日の結果の決定的要因についてドライバー達は、タイヤだと口を揃える。

アストンマーチンやフェラーリではなく、後ろにメルセデスの2台が続いた事について問われたフェルスタッペンは「僕も少し驚いているけど、それは彼らの方も同じだと思うよ!」とした上で、「今日は兎に角、タイヤをウインドウに入れられるかどうかが全てだった。その点においても彼らは良い仕事をしたと思う」と続けた。

「今週末はずっと、タイヤを適切なウィンドウに入れるのに本当に手こずっていて、コースに出てすぐにプッシュするのが凄く難しかったんだけど、Q3ではそれが上手くいったから本当に満足してるんだ」

予選は今週末の中で最も低いコンディションの中で行われた。気温は15.8~17℃、路面は21.8~23.8℃という条件で、小雨に見舞われた初日FP2よりも涼しかった。

ラッセルは「マックスが言っていたように、タイヤが大きな役割を果たしたのは間違いない」と同意した。これはW14のパフォーマンスが向上したわけではないという意味において、メルセデス勢にとってはやや複雑な部分でもある。

ラッセルは「タイヤをスイートスポットに入れる事ができれば一気にジャンプできる。最後のランでは多分、コンマ4秒くらい改善があったんじゃないかな。そういう意味では残念ながら、すべてはタイヤ、タイヤ、タイヤなんだ」と語った。

一時、暫定ポールに立っていた事について予選3番手のルイス・ハミルトンは「あれはかなり現実離れした感じだったね」と振り返り、最終ラップでフェルスタッペンとラッセルに先行を許したのは「タイヤを作動させる事ができなかった」のが一因だと説明した。

これは何も上位勢に限定される話ではない。

今季初のQ3進出を果たしたアレックス・アルボン(ウィリアムズ)は「プラクティスではタイヤを上手く使えず苦労したけど、予選では計画が上手くハマってタイヤのスイッチがオンになったお陰で、他のあらゆる部分が上手く機能したんだ」と振り返った。

ピエール・ガスリーが9番手、エステバン・オコンが11番手を獲得したアルピーヌのスポーティング・ディレクターを務めるアラン・パーメインは「今日の主な課題はタイヤを最適な作動ウィンドウに入れることだったが、涼しいコンディションの中でこれをやってのけるのは本当に難しかった」と語った。

「タイヤに熱を入れれば入れるほどラップタイムを向上させる事ができると考え、今日は1セットあたり3回のプッシュラップを行う戦略を採る事にした」

Courtesy Of Alpine Racing

アルバート・パーク・サーキットで予選ランに取り組むピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2023年4月1日F1オーストラリアGP

フェラーリが奮わなかった理由の一つもタイヤの熱入れだ。

5番手に留まりメルセデスとアストンマーチンに先行を許したカルロス・サインツは「タイヤ温度の観点で、準備ラップが少し良くなかった」と振り返った。

「チームからプッシュラップ中だと言われたクルマを2、3台、前に出すためにかなりスピードを落とさなきゃならなくてね。でも前に出したと思ったらゆっくり走ってさ。つまりプッシュラップ中じゃなかったんだ」


2023年F1オーストラリアGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手はジョージ・ラッセル、3番手はルイス・ハミルトンと、メルボルン勢が続く結果となった。

決勝レースは日本時間4月2日(日)14時にフォーメーションラップが開始され、1周5,278mのアルバート・パーク・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。日本ではDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

F1オーストラリアGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了