鈴鹿制覇とともにチャンピオンシップを勝ち取り左の拳を突き上げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月9日F1日本GP
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”狂ってる”から始まった旅「見てよ、この結果を」と2冠フェルスタッペン、不屈のホンダスピリットに胸を張る

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10万人近い観客が見守る中、ホンダのホームコースである鈴鹿でタイトルを勝ち取った事についてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は「完璧だったと思うよ」と笑顔を見せ、不屈のホンダスピリットに胸を張った。

ホンダは昨年末を以てF1を引退しているため、パワーユニット(PU)サプライヤーとしての2つ目の勝ち星が与えられる事はない。だが、レッドブルの2022年型F1マシン「RB18」を駆動していたのが紛れもないホンダ製PUによるものであることは、あらゆるF1関係者とファンが認めるところだ。

優勝トロフィーを掲げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月9日F1日本GP表彰台セレモニーにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

優勝トロフィーを掲げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月9日F1日本GP表彰台セレモニーにて

そんな昨年に続く2連覇の偉業は、シャルル・ルクレール(フェラーリ)追撃の手を緩めない必殺仕事人、セルジオ・ペレスの粘り強い走りによってホンダのお膝元、鈴鹿で成し遂げられた。

ペレスの執拗なプレッシャーは最終ラップの最終シケインでルクレールのミスを誘い、レース後の5秒ペナルティによってレッドブル・レーシングは1-2フィニッシュを達成。結果、フェルスタッペンは2個目のチャンピオントロフィーを手にする事となった。

フェルスタッペンのタイトルが時間の問題であったことは自他ともに認めるところだが、それをホンダの目の前で成し遂げたことには大きな意味がある。

フェルスタッペンは「ホンダ関係者と日本のファンの前でチャンピオンシップを勝ち取れて本当にスペシャルだ。最高だよ!」と喜びを語った。

チャンピオンシップ獲得記念撮影に臨むマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月9日F1日本GPCourtesy Of Red Bull Content Pool

チャンピオンシップ獲得記念撮影に臨むマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月9日F1日本GP

遡ること4年前の2018年6月、ホンダは2019年シーズンからトロロッソ(現アルファタウリ)に加えて強豪レッドブル・レーシングにPU一式を供給すると発表した。

識者やファンの中には、それまでの”マクラーレン・ホンダ”としての惨状を見てきた経緯から、両者のパートナーシップに疑いの目を向けるものも少なくなかったが、ホンダの技術者達は批判を乗り越えタイトルを争えるだけのエンジンを作り上げて見せた。

鈴鹿F1日本GPでのチャンピオン獲得を「パーフェクト」と評した理由についてフェルスタッペンは次のように説明した。

「僕らは今もホンダと共に走っているし、数年前から彼らと一緒に取り組んできたわけだからね。加えて日本のファンも一緒だった」

「それにパートナーシップの始まりを思うとね。僕らがホンダと一緒に仕事を始めた時、誰もが、あるいは殆どの人が僕らに『狂ってる』って言ったと思うんだ」

「上手くいくのか?ってね。あの時ホンダは厳しい時を過ごしていたからね」

「でもご覧の通り、ホンダは成功をおさめるために決して諦めずに全てを注いできた」

「もちろん、去年の段階から既に僕らはかなりの競争力を発揮していたけど、今年は更に優れていた」

「だからこそチーム全体を本当に誇らしく思っているし、同時にそういうメンタリティを持つホンダの中の誰もが本当に誇らしいんだ」

「だって、多くの批判に晒されるのは辛いことだし、押し寄せるプレッシャーも多い。みんなから色んな要求が寄せられる中で結果を示さなきゃならなかった」

「でもホンダは冷静さを保ち続けた。最終的に何をしなきゃならないかを見失わなかったんだと思う」

「見てよ。それがこの結果さ!」

チャンピオン獲得記念の写真撮影に臨むレッドブル・レーシングの面々、2022年10月9日F1日本GPCourtesy Of Red Bull Content Pool

チャンピオン獲得記念の写真撮影に臨むレッドブル・レーシングの面々、2022年10月9日F1日本GP

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