幸福度と収入を巡るフェルスタッペンの持論、2026年エンジン不発なら契約満了前にF1引退
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マックス・フェルスタッペンにとって収入は、人生の幸福度を決める絶対的な物差しではない。故に、幾ら大金を稼いでいようが、モチベーションが削がれ楽しくないと感じれば、契約を打ち切ってでもF1を去る覚悟のようだ。
スプリントフォーマット批判の急先鋒である25歳のオランダ人ドライバーは年間に約75億円の収入を得ているとされ、レッドブルとの間で2028年末までの超大型契約を結んでいるものの、早期引退の可能性を度々、公言している。
2023年シーズンの前半12戦で10勝を挙げ、3年連続の世界タイトル獲得に向けて突き進む中、フェルスタッペンは蘭「De Telegraaf」とのインタビューの中でF1の首脳陣に対し、金儲けのためにF1を変革するのをやめるよう訴えた。
「このスポーツの事が心配なんだ。ずっと大切に思ってきたからね」とフェルスタッペンは語る。
「今でもある程度は好きだし、僕は変化に対して全面的に反対しているわけじゃないけど、それはF1に利益をもたらすものであるべきだ」
「物事が上手くいっているのに、どうして変えなきゃならないんだ? 伝統的な形式の予選は機能していると思う。お金目当てで変更すべきじゃない」
「中には『アイツは大金を稼いでいるのに、なんで文句を言っているんだ?』と思う人もいるかもしれない」
「でも重要なのは幸福感であって、幾ら稼ぐかではなく、物事をどのように経験するかなんだ」
「やらなきゃならない事があまりに多すぎると感じていて、時々、続ける価値があるんだろうか?って考える事がある」
近年のF1はシーズンを経る毎に年間のレース数が拡大している。2000年代は18戦前後が一般的であったが、2024年は史上最多となる24戦が行われる。
ただフェルスタッペンは、カレンダーに載るレース数そのものが問題なのではなく「それにどう対処するのかが問題」だと語る。
「開催地にもよるけど、レースウィークエンド前の木曜日はやるべき事が多いし、グランプリ以外にシミュレーターでの仕事もある」
「それに例えば、僕はマーケティング活動に対して年間1か月以上費やしている。ある一定を超えると、もうそんな事はしたくないって思うようになるんだ」
ホンダ製F1パワーユニットと共にチャンピオンシップを席巻するレッドブルは、2026年以降、初の自社製パワーユニットを搭載する。
フェルスタッペンは、レッドブルのエンジンが期待外れに終わり、チームが中団に成り下がるとは考えていないが、仮にそうなった場合「3年間もミッドフィールドでツアーを回るとは思わない。家にいるか、何か他の事をしたい」と述べ、早期契約解除を通して2028年を待たずにF1を去る可能性があると認めた。