幸福度と収入を巡るフェルスタッペンの持論、2026年エンジン不発なら契約満了前にF1引退

パルクフェルメに立つレース優勝者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2023年7月30日(日) F1ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of Red Bull Content Pool

マックス・フェルスタッペンにとって収入は、人生の幸福度を決める絶対的な物差しではない。故に、幾ら大金を稼いでいようが、モチベーションが削がれ楽しくないと感じれば、契約を打ち切ってでもF1を去る覚悟のようだ。

スプリントフォーマット批判の急先鋒である25歳のオランダ人ドライバーは年間に約75億円の収入を得ているとされ、レッドブルとの間で2028年末までの超大型契約を結んでいるものの、早期引退の可能性を度々、公言している。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

レース後の会見でマイクを握るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年6月4日F1スペインGP

2023年シーズンの前半12戦で10勝を挙げ、3年連続の世界タイトル獲得に向けて突き進む中、フェルスタッペンは蘭「De Telegraaf」とのインタビューの中でF1の首脳陣に対し、金儲けのためにF1を変革するのをやめるよう訴えた。

「このスポーツの事が心配なんだ。ずっと大切に思ってきたからね」とフェルスタッペンは語る。

「今でもある程度は好きだし、僕は変化に対して全面的に反対しているわけじゃないけど、それはF1に利益をもたらすものであるべきだ」

「物事が上手くいっているのに、どうして変えなきゃならないんだ? 伝統的な形式の予選は機能していると思う。お金目当てで変更すべきじゃない」

「中には『アイツは大金を稼いでいるのに、なんで文句を言っているんだ?』と思う人もいるかもしれない」

「でも重要なのは幸福感であって、幾ら稼ぐかではなく、物事をどのように経験するかなんだ」

「やらなきゃならない事があまりに多すぎると感じていて、時々、続ける価値があるんだろうか?って考える事がある」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ルイス・ハミルトン(メルセデス)を抜き去るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年3月19日F1サウジアラビアGP決勝レース

近年のF1はシーズンを経る毎に年間のレース数が拡大している。2000年代は18戦前後が一般的であったが、2024年は史上最多となる24戦が行われる。

ただフェルスタッペンは、カレンダーに載るレース数そのものが問題なのではなく「それにどう対処するのかが問題」だと語る。

「開催地にもよるけど、レースウィークエンド前の木曜日はやるべき事が多いし、グランプリ以外にシミュレーターでの仕事もある」

「それに例えば、僕はマーケティング活動に対して年間1か月以上費やしている。ある一定を超えると、もうそんな事はしたくないって思うようになるんだ」

ホンダ製F1パワーユニットと共にチャンピオンシップを席巻するレッドブルは、2026年以降、初の自社製パワーユニットを搭載する。

フェルスタッペンは、レッドブルのエンジンが期待外れに終わり、チームが中団に成り下がるとは考えていないが、仮にそうなった場合「3年間もミッドフィールドでツアーを回るとは思わない。家にいるか、何か他の事をしたい」と述べ、早期契約解除を通して2028年を待たずにF1を去る可能性があると認めた。

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了