「彼がやめたら、僕もやめる」——フェルスタッペンの相棒ランビアーゼが2028年にマクラーレン移籍へ

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マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)の担当レースエンジニアを務めるジャンピエロ・ランビアーゼが、2028年からマクラーレンに加わる見通しが固まった。これに伴い、4度のF1王者の去就を巡る疑問がさらに深まることとなった。

フェルスタッペンは以前、ランビアーゼが自身のレースエンジニアでなくなればF1を去ると公言しており、鈴鹿で行われた前戦日本GPでは、今季限りでの引退を検討していることを明らかにしていた。

チームのパフォーマンスが劇的に好転しない限り、フェルスタッペンは解除条項に基づき、今季末でレッドブルを離れることが契約上可能となる。

「彼としか仕事をしない」——10年を共にした相棒

フェルスタッペンとランビアーゼの蜜月関係は多くの関係者が知るところだ。

ランビアーゼは、フェルスタッペンが2016年にレッドブルへ加入して以来、一貫して彼のレースエンジニアを務めており、2021年の初タイトル獲得を含む4度の世界制覇を二人三脚で成し遂げてきた。

その初タイトルを手にした直後、フェルスタッペンはオランダの放送局『Ziggo Sport』にこう語っていた。

「僕は彼に、彼としか仕事をしないと言ってある。彼がやめたら、僕もやめる」

2024年のF1ワールドチャンピオン獲得を祝うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼ、2024年11月23日(土) F1ラスベガスGP決勝(ラスベガス市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

2024年のF1ワールドチャンピオン獲得を祝うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼ、2024年11月23日(土) F1ラスベガスGP決勝(ラスベガス市街地コース)

アストンを断り、マクラーレンへ

複数のライバルチームが引き抜きを画策していたことから、ランビアーゼを巡る去就の憶測は今冬から続いていた。その中にはアストンマーティン・ホンダからのチーム代表就任のオファーも含まれていたが、ランビアーゼはこれを断ったものとみられている。

フェルスタッペンの母国オランダを含む複数のメディアによると、ランビアーゼはマクラーレンでレースエンジニアリング部門の責任者に就任し、チーム代表アンドレア・ステラを補佐する役割に就く見通しだという。

F1運営の複雑化が進む中、チーム代表一人ですべてを担うことは難しくなっており、マクラーレンはランビアーゼをステラの右腕として迎え入れる計画を立てているようだ。実際、ステラはチーム代表を務める傍ら、実質的には3名の技術トップを束ねるテクニカルディレクター役も担っている。

なお、ステラに近い関係者によれば、ステラ自身のフェラーリ復帰説は単なる憶測に過ぎず、ランビアーゼの加入によってステラはチーム代表としての特定の役割により専念できるようになるという。

パドックを歩くマクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラ、2026年F1プレシーズンテスト(バーレーン・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of McLaren

パドックを歩くマクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラ、2026年F1プレシーズンテスト(バーレーン・インターナショナル・サーキット)

公式発表はまだ行われておらず、レッドブルとマクラーレンはコメントを控えているが、イギリスの公共放送『BBC』によると、ランビアーゼとマクラーレンの間ではすでに移籍の合意が成立しているという。

両チーム間での早期離脱に関する合意がない限り、移籍は2028年初頭となる見通しで、それまでランビアーゼはレッドブルに残るものとみられる。

ランビアーゼは2025年からレーシング部門の責任者も兼務しており、チーム代表のローラン・メキーズ、テクニカルディレクターのピエール・ワシェに次ぐ立場にある。

相次ぐマクラーレンへの人材流出

近年におけるレッドブルからマクラーレンへの重要人物の移籍は、ランビアーゼが初めてではない。テクニカルディレクターのロブ・マーシャルは2024年に、スポーティングディレクターのウィル・コートニーは今年、それぞれマクラーレンに加わった。

人材の流出先はマクラーレンにとどまらない。伝説的なデザイナー、エイドリアン・ニューウェイは昨年、レッドブルからアストンマーティンに移籍し、長年チーム代表を務めたクリスチャン・ホーナーとアドバイザーのヘルムート・マルコもチームを去った。

マクラーレンのオスカー・ピアストリとエンジニアリング&デザイン担当テクニカル・ディレクターのロブ・マーシャル、2024年2月23日F1バーレーンテストCourtesy Of McLaren

マクラーレンのオスカー・ピアストリとエンジニアリング&デザイン担当テクニカル・ディレクターのロブ・マーシャル、2024年2月23日F1バーレーンテスト

フェルスタッペンは日本GPの週末に、今季限りでのF1引退を検討していると語り、2026年規則への強い不満を示していた。

他のF1チームへの移籍か、あるいは別カテゴリーへの転向かはさておき、そこにランビアーゼの離脱という報道が重なった今、2028年まで続くはずのレッドブルとの契約が最後まで全うされるかどうかは、これまで以上に不透明な状況となっている。