
レッドブルF1、ランビアーゼ離脱を発表。2028年マクラーレンCRO就任へ…フェルスタッペンの片腕が新天地へ
レッドブル・レーシングは2026年4月9日、マックス・フェルスタッペンの担当レースエンジニアとして知られる「GP」ことジャンピエロ・ランビアーゼが、現行契約の満了をもって2028年にチームを離脱することを正式に発表した。
この衝撃的な一報から15分後、今度はライバルのマクラーレンが、ランビアーゼをチーフ・レーシング・オフィサー(CRO)として2028年から迎え入れることを発表した。4度のF1王者がマクラーレンに移籍しない限り、F1界をけん引してきた最強タッグの終止符が打たれることになる。
ランビアーゼは2028年の移籍時までレッドブルに留まり、引き続きレーシング部門の責任者およびフェルスタッペンのレースエンジニアとしての職務を継続する。レッドブルは声明を通して「チームと彼はともに、ここまで共に築いてきた強力な実績にさらなる成功を加えることに全面的にコミットしている」と述べた。
4年連続となる世界選手権制覇の立役者の一人であるランビアーゼの離脱は、フェルスタッペン自身の将来に極めて重大な影響を及ぼす可能性がある。
ステラ代表を支える新職務
ランビアーゼはマクラーレンにおいて、チーム代表アンドレア・ステラの直属の補佐役として、レースチーム全体の統括を担うことになる。F1のチーム運営が複雑化するなか、ステラはエンジニアリング部門のトップも事実上兼任しており、ランビアーゼの加入はマクラーレンの組織力をさらに盤石なものにする可能性がある。
ランビアーゼを巡っては、今冬から複数のチームが獲得に動いており、アストンマーティン・ホンダからはチーム代表就任という破格の条件も提示されていたとされる。だが、ランビアーゼにとって、現在のマクラーレンが推進するプロジェクトはそれ以上に魅力的なものだったようだ。
現時点では2028年の加入が予定されているが、レッドブルとマクラーレンの間で早期離脱に関する合意が成立すれば、その時期が前倒しされる可能性も残されている。
王者が公言した引退の影
今回の発表により、フェルスタッペンが以前から口にしてきた「F1引退」の可能性が一層、現実味を帯びてきた。2016年のレッドブル加入以来、二人三脚で4度のタイトルを手にしてきたランビアーゼとの絆は、両者が「兄弟」と呼び合うように、単なる職務上の関係を超えている。
初のドライバーズタイトルを獲得した2021年の直後、フェルスタッペンはオランダの放送局『Ziggo Sport』に対し、「僕は彼(ランビアーゼ)に、彼としか仕事をしないと言ってある。彼がやめたら、僕もやめる」と断言した。
また、鈴鹿サーキットで開催された前戦日本GPの際には、2026年の規則変更への不満と並行して、今季限りでの引退すら検討していることを明確に認めた。この発言の時点でランビアーゼがマクラーレンに移籍する、あるいは移籍を検討していることは当然にフェルスタッペンも認識していたはずだ。
フェルスタッペンの現行契約は2028年までとなっているが、レッドブルのマシンのパフォーマンスが劇的に向上しない限り、フェルスタッペンは契約解除条項を行使して今季末にもチームを離れることが可能とみられる。
加速するレッドブルの人材流出
テクニカルディレクターを務めたロブ・マーシャルや、スポーティングディレクターのウィル・コートニーを筆頭に、近年はレッドブルからマクラーレンへの重要人物の流出が目立っている。
さらに昨年には、伝説的デザイナーのエイドリアン・ニューウェイがアストンマーティン・ホンダへの移籍を決め、長年チームを率いたクリスチャン・ホーナーやアドバイザーのヘルムート・マルコもすでにチームを去った。
かつてフェルスタッペンが「第二の家族」とまで慕ったガレージの顔ぶれは、わずか数年のうちに様変わりした。
2028年までの現行契約を全うするのか、あるいは相棒の離脱とともに別の道を歩むのか。アイルトン・セナやミハエル・シューマッハを凌ぐ歴代最強ドライバーとも評されるフェルスタッペンのキャリアは今、最大の岐路に立たされている。