セバスチャン・ベッテル、唯一果敢にスリックに挑戦するも失敗…”誤った判断”は誰が下した？
アストンマーチンのセバスチャン・ベッテルは10番手を走行していた35周目に驚きの行動に打って出た。誰もが第2スティントにインターミディエイト・タイヤを選ぶ中、ただ一人果敢にもスリックに交換した。
だがこのジャッジは結果として誤りだった。コースに戻ったベッテルはクルマを真っ直ぐに走らせる事すらできない程、グリップに苦しみ、一気にポジションを8つ落として19番手にまで転げ落ちた。
結局、1周を回って再びピットに向かい、フレッシュなインターミディエイトに履き直して最終18位でフィニッシュした。インターでのインラップが1分37秒375であったのに対し、ミディアムでのアウトラップは2分40秒070を要した。
チーム無線では、レースエンジニアのティム・ライトからベッテルに「ドライタイヤのソフトを試してみるか？」との問いかけがあり、これにベッテルが「ミディアムだ。ミディアムでやってみよう」と答える様子が確認されていた。
レースを終えて、スリックへの履き替えを決断したのは自身かそれともチームと問われたベッテルは「一緒に決めたんだ。でも、最終的には僕が決断した。僕が試したかったんだ」と答えた。
「ドライタイヤでもいけると思ったんだけど、上手く慣らす事ができず、ただグリップを失っただけでタイムを大幅にロスしてしまい、結局機能させる事が出来なかったんだ」
「あちこちにダンプが少し残っていて、ウェットの部分があったとは言え、想像以上に酷い状態だった」
「それまでトップ10圏内を走っていたわけで、多分1・2ポイントを失った事になる。あまりにも路面が乾かず本当に驚いたよ。全然乾かなかったという点で去年と同じだった」
チーム代表兼CEOのオトマー・サフナウアーは「そういう事もある。ギャンブルが上手くいかなかったというだけの話だ。こうした非常に難しいコンディションでは時としてこういう事も起こるものなのだ」と振り返った。
