走行の準備をするマルコ・アンドレッティ、2022年5月21日インディ500予選1日目
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「佐藤琢磨は世界で一番いいヤツ」と語るインディ500予選で妨害に遭ったアンドレッティ

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2022年第106回インディ500予選1日目のセッションでウォームアップ・ラップを妨害された件についてマルコ・アンドレッティは「佐藤琢磨は世界で一番いいヤツだ」と述べ、謝罪があった事を明かした。

インディアナ州現地5月21日(土)に行われた予選セッションで佐藤琢磨は、自身の計測ラップを終えた後、ルールに従ってピットエントリーレーンに戻らずコース上に留まった。これによってアンドレッティは予定外の制動を強いられた。

23日(月)に行われた2時間のプラクティス8を終えてアンドレッティは、一件について佐藤琢磨と話をしたかと問われると「彼は世界で一番いいヤツだ」と答えた。

「いや、実は彼からお詫びの連絡があって『君が来ると聞いたから、(下手に)動かない方が良いって思ったんだ』って言われてね」

「僕としては彼が左に来ない事を望んでいたから、まあ、良かったよ。実際に予選をダメにしてしてしまったのは僕らだし」

アンドレッティは結局、走行妨害とは無関係のメカニカルトラブルによって大幅にスピードを失い、2回目のアテンプトで23番グリッドを獲得した。佐藤琢磨との一件があろうがなかろうが、結果には何も影響がなかった。

「プレナムが大爆発したものだから、何にしてもあのランはどうせダメになっただろうし、もう1回走りに行かなきゃならない事は分かってた」とアンドレッティは語る。

「雨が降り出したからすぐには走れなかったけど、最終的に幾らかポジションを上げれて運が良かったよ」

アンドレッティは2回目のアテンプトの前にプレナムの交換を余儀なくされたと明かした上で、仮に作業が間に合わなかったら「最後尾になっていたかもしれないね」と付け加えた。

インディアナポリス・モーター・スピードウェイを周回するマルコ・アンドレッティ、2022年5月21日インディ500予選1にてCourtesy Of Penske Entertainment

インディアナポリス・モーター・スピードウェイを周回するマルコ・アンドレッティ、2022年5月21日インディ500予選1にて

興味深い事に5台体制の強豪アンドレッティ・オートスポーツは、500優勝経験を持つアレキサンダー・ロッシを含めてベテラン勢が軒並み後方に沈んだ一方、元F1ドライバーで500ルーキーのロマン・グロージャンが唯一人、予選第2ラウンドに進出して佐藤琢磨の一つ前、9番グリッドを獲得した。

アンドレッティは23番グリッドからレースで巻き返すためには適切な戦略が必要不可欠だと強調した上で「クルマはかなり良いんだ。問題は兎に角、スピードだ。同じ結果を得るためには、他の連中よりも余計にスロットルを開け続けなきゃならない」と続けた。

レース当日は父マイケル・アンドレッティがストラテジストを務める。

「当然の成り行きさ。正直に言って、彼とやるのが一番だと思う。彼は本当に、本当に良い戦略家なんだ」

「僕がまだルーキーで、父さんが何を言っているのか分からんと思っていた頃に比べれば、今の僕らはずっと良い仕事ができる。何しろ今や、僕の方がここでのレース経験が豊富だしね」

アンドレッティはカーブデー前の最終プラクティスで77周を走り込み、セージ・カラム(エド・カーペンター)を抑えて8番手を記録した。チップ・ガナッシ勢が脅威的なペースを刻む中、佐藤琢磨は4番手をマーク。ガナッシ勢のトップ4独占を阻止した。

なお2020年の第104回大会ではアンドレッティがポールポジションを獲得し、佐藤琢磨は3番グリッドと、揃ってフロントローに並んでいる。

マルコ・アンドレッティとマイケル・アンドレッティ、2022年4月20日のインディカー・シリーズ・インディ500オープンテストにてCourtesy Of Penske Entertainment

マルコ・アンドレッティとマイケル・アンドレッティ、2022年4月20日のインディ500オープンテストにて