メルセデスが沈黙し続ける中、ウォルフの妻スージーが控訴期限を間近に控えてコメントを発表
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控訴期限当日、そしてFIA表彰式が開催される16日(木)を迎えてなお、メルセデス陣営がF1最終アブダビGPでの一件に関して沈黙し続ける中、トト・ウォルフ代表の妻、スージーがコメントを発表した。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の逆転タイトルの要因の一つとなったレース最終盤のセーフティーカー解除に関わるプロセスについて、メルセデスは控訴の意思を表明した後、あらゆる会見への出席をキャンセルすると共に、プレスリリースを含めて一切、情報を発していない。
控訴期限が数時間後に迫った木曜、ベンチュリー・フォーミュラEチームのCEOであり、ウォルフの妻スージーは、フェルスタッペンとレッドブルは勝利に相応しいとする一方で、FIAレースディレクターを務めるマイケル・マシの判断によってハミルトンが8度目のタイトルを「奪われた」との考えを示した。
スージーウォルフは「最終戦の週末に先立ち、私はタイトルを争う当事者のいずれもが勝つに値すると信じていました。誰もがスペクタクルかつ歴史的一戦として論争なく終わる事を望んでいましたが、そうはなりませんでした」との談話を発表した。
「何が起こったのか未だに理解しがたいですし、気持ち悪さが残る終わり方でした。マックスやレッドブルは勝者に相応しいですし、私達に勝ち目がない事は分かっていましたが、負けたことではなく、ルイスがタイトルを奪われる事になったプロセスが私にとっては今も全く信じられないのです」
「運営組織のある一人がF1で前例のないルールを適用した事によってF1ドライバーズ・ワールド・チャンピオンシップは決定付けられる事になりました。ルールはルールであり、レース終了後に一個人の気まぐれで変更できるものではありません」
「ルイス・ハミルトン、あなたは不公平に直面しながらも、信じられないほどの誠実さと威厳を示してくれました。あなたは史上最も偉大なドライバーです。日曜日の最終ラップの結果は? 知っている人は知っていますし、認める気になれない人々すらいます」
「マックス、そして記録破りの8度目のコンストラクターズタイトルを獲得したメルセデス・ベンツAMG F1の各メンバーを祝福したいと思います。そして来年の3月までにFIAが誠実さと公正さを中核とする組織に生まれ変わる事を祈ると共に、またF1を好きになれればと思っています」
メルセデスはヤス・マリーナ・サーキットで下されたスチュワードの決定に正式に抗議するかどうかを16日中に最終決定する必要があるが、スージー・ウォルフの談話からは控訴を断念する方針と読み取れる。
なおFIAは一件に関して、F1のイメージとフェルスタッペン及びメルセデスのタイトル獲得の栄誉を「汚している」として、「詳細な分析と解明作業」に取り組む意向を明らかにしている。