メルセデスに僅差で迫るマクラーレン、無得点の開幕経てジェッダで上昇機運…なぜ?
バルセロナでのプレシーズンテストで強力なパフォーマンスを発揮しながらも、前戦バーレーンでノーポイントに終わったマクラーレン。だが、コース特性が異るジェッダ市街地コースではメルセデスに僅差で迫る速さを見せた。
3月25日(金)に行われたF1サウジアラビアGP初日プラクティスでは、ランド・ノリスがFP2でメルセデスのジョージ・ラッセルに1000分の71秒差の7番手を刻み、ミッドフィールド上位争いに名乗りを上げた。
好タイムの要因の一つはセットアップだ。チームが持ち込んだイニシャルセットアップはジェッダの特性にマッチしていたようだ。
1日を終えたダニエル・リカルドは「相対的な競争力を考えれば今日はかなり生産的な一日だった。マシンの調整もそれほど必要なかったしね」と述べ「ここでは良いフィーリングで走れているし楽しいよ」と付け加えた。
ジェームス・キーが作り上げたMCL36は解決すべき幾つかの空力的な課題を抱えている。フロントブレーキは上手く気流を排出できていないようで、バーレーンではオーバーヒートに悩まされた。またノリス曰く、絶対的なダウンフォース量が不足していると言う。
超高速のジェッダはバーレーンよりダウンフォースレベルが低い。故にMCL36の弱点が目立ちにくいという側面がある。
ノリスはジェッダが「高速かつスムーズ」であるという点でバーレーンとは特性が異ると指摘した上で、こうした違いが良い意味で影響した結果、前戦よりも「クルマのポテンシャルを引き出せていると思う」と語った。
ただ相対的な競争力の向上は、欠点が目立たないという理由だけに依るものではなさそうだ。
エグゼクティブ・ディレクターを務めるアンドレア・ステラは「クルマには特に問題はなく、その意味ではバーレーンよりも”普通の週末”と言えるだろう」と語った。
「ここではクルマのパフォーマンスも良くなっているようだし頼もしい限りだ」
「パッケージから最大限のパフォーマンスを引き出して予選で上位に入り、決勝でポイントが取れるよう今日は夜通しで適正評価に取り組みたい。明日が本当に楽しみだ」
ただしF1はそれほど簡単な競技ではない。5番手を刻んだルイス・ハミルトン(メルセデス)から12番手のピエール・ガスリー(アルファタウリ)までのギャップはコンマ5秒に満たず、ミッドフィールドは今回も熾烈な争いとなる事が予想される。
ノリスは「少しずつ自信を持てるようになってきたけど、とにかく僅差だし、まだまだ多くの部分で足りていないところがある」と気を引き締めた。
初日をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を0.14秒差で退けた。3番手には0.246秒遅れでカルロス・サインツ(フェラーリ)が続いた。
近郊の石油関連施設が攻撃され爆発炎上したにも関わらず、F1は予定通りイベントを開催する方針を表明。ドライバー達も深夜2時半近くにまで渡る議論を経てレース続行を決定したものとみられており、2022年F1サウジアラビアグランプリの3回目のフリー走行は日本時間3月26日(土)23時から、公式予選は同26時から1時間に渡ってジェッダ市街地コースで開催される見通しだ。